38恋 ページ39
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私を求める、誠知の瞳
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誠知が低い声でそう言ったのは
私や誠知のマンションの目の前で
ブレーキをかけた誠知は、私を包むように見下げる
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熱っぽい目で、私に覆いかぶさるような体勢に
なった誠知…ここは、車の中な訳で
狭い上に、プロ野球選手の腕から逃れられるはずはなくて
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…いや、逃れようなんて思わないな
だって、目の前にいるのは大好きな誠知なんだから
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「…ダメ？」
「珍しいね、どうして弱気なの？
…でもその割に目が本気だよ、誠知」
「見抜かれてるし。…なら、塞ぐから」
「ひゃ、いきなり？……んっ」
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羨ましいくらいに整った顔が、近付いてきて
柔い唇が、私のそれと重なった
軽く、触れるだけのキスが繰り返されたと思えば
噛み付くようなものに、変わっていって
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「せ、じ……ん、ふぅ…っ」
「…は、まだだから」
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小さく呟いたと思えば、また私の口内を貪る誠知
私に向ける熱すぎる眼差しに、溶けてしまいそうだ
…え、ちょっと待って、私の思考を乱さないで
突然舌を吸うのは、本当に反則だから
今度こそ本当に、溶けてしまうから…っ
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「ん、ふぁ、…っ、」
(…色々、やばいな…)
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窓ガラスに手首を縫い付けられるように
強く押し付けられて、本当に身動きが取れない
肩の力が入らない、腰も抜けそう…苦しい、
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「っ誠知、待って…息出来ない」
「あー…ごめん、」
「もー…いきなりがっつきすぎ」
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口元を袖で拭う誠知の肩を、笑って叩いてみせる
…本当は、心の準備が出来てなくて
内心、どきどき。実は、泣きそうだったりして
この感情に付けるべき名前は、分からないけど
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「…今、何時？」
「もうすぐ11時」
「そっか。…じゃ、私帰るね
今日はありがとう。楽しかったよ」
「ん。じゃ、明日」
「うん、おやすみなさい」
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誠知の車から降りて、駆け足で部屋に戻った
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手首にある、熱い温もりの名残
強く押し付けられた身体、誠知の体温
時折かかる柔らかい髪の毛、ほんのり甘い香り…
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身に染みて感じたことは
誠知は男で、私は女であること
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(……どうしよう、)
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やっぱり私は、本当の意味で
心の準備が出来ていなかったんだと思う
誠知と私が、幼なじみの"壁"を超えること
今日は、それが出来なかった
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(…誠知は、きっと)
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"女"の私を求めてる
私達は、いつかふたりで階段を上る
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(…A、何であんなに柔らかいんだ…やば、)
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凛*.(プロフ) - リンさん» リンさん(´∀`)ついにです...！ここまでお付き合いくださってありがとうございます！ (2018年11月11日 23時) (
レス) id: da5814e32d (このIDを非表示/違反報告)
リン(プロフ) - つ…遂に！！ (2018年11月11日 23時) (レス) id: 03ef5bc57a (このIDを非表示/違反報告)
凛*.(プロフ) - 澪さん» 澪さん◎ありがとうございます（ ; ; ）嬉しいコメントに私もキュンキュンしちゃいました(´▽｀*)応援ありがとうございます！ (2018年11月10日 14時) (レス) id: da5814e32d (このIDを非表示/違反報告)
澪(プロフ) - 突然のコメント失礼します。殿堂入りおめでとうございます！とてもキュンキュンしながら読ませていただいてます。これからも更新頑張って下さい！ (2018年11月10日 12時) (レス) id: 10f685532e (このIDを非表示/違反報告)
凛*.(プロフ) - リンさん» リンさん◎ありがとうございます！是非2人の行く末を見守ってください...！ (2018年11月6日 7時) (レス) id: da5814e32d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：凛*
| 作者ホームページ：https://twitter.com/j2hi_ve
作成日時：2018年9月18日 1時
