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37恋 ページ38

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思い出すのは



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(ふたりの、あの時)


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コウタくん達と別れた後
私は誠知の車の助手席にいた


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水族館では半分くらいの時間、コウタくんの両親を探すのに時間を費やしたけど
楽しかったし、誠知の新しい面が見れて嬉しかった


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「誠知さ、コウタくんに"男なら泣くな"って言ってたよね」

「あー…言ったな」

「誠知、泣いてたじゃん
この間のクライマックスの時」

「うわ、それは言うなって恥ずい」

「でも…誠知かっこよかった」


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コウタくんのこと、周りは見て見ぬふりだったのに
誠知だけは、手を差し伸べたんだ
野球をする誠知だってかっこいいけど
あの時の誠知は、赤いマントのヒーローに見えたよ


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「…私が芹沢さんにコーヒーかけられそうになった時も、助けに来てくれたよね」

「ん、あん時な」

「改めて、ありがとう。
…なんか、私たち小さい頃と反対だね」

「反対?…あぁ、」


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一瞬目を丸くした誠知は私の言葉の意味に気づいたようで、穏やかに笑って下を向く(運転中だぞ)
その横顔が光に照らされて綺麗で
この人の彼女になったのかと思うと、くすぐったい


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「…小さい頃はさ、私が誠知を守ってたよね」

「うっわ懐かしい…」

「覚えてる?幼稚園の頃の誠知ってば
いっつもめそめそ泣いてて

お昼寝1人で出来ないから、毎回私が隣で寝てたの」

「うわ〜…覚えてる覚えてる」

「どんな時でも私の後ろに隠れててさ

あと、皆で鬼ごっこした時に、誠知転んじゃって
私、誠知が泣き止むまでずっと痛いの飛んでけーってしてたんだよ」

「え、それは覚えてないわ」

「もー…私の恩を忘れたのか」


.


コウタくんを見て、思い出した私と誠知の幼い頃
あの頃とは、立場が変わった…というか
誠知が大きくなって、強くなったんだ


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小さい頃の思い出だって数え切れないけど
これ以上言うと、きりがないかな


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ただ、言えることは
弱虫だった誠知が、野球を始めてから
どんどん逞しくなって…すごく、成長したこと
私より背も低かったはずなのに
気づいたらこんなにも大きくなっていた


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「私、嬉しいよ」

「…ん」

「誠知…男、なんだよね」


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誰よりも、かっこいい男の人だよ
私の背中に隠れていたはずの誠知の背中を
今度は私が、見つめて、追いかけていたんだ


.


「あー…ダメだ」

「…誠知?」


.


誠知が前髪をくしゃりと掻いて
真剣な目で、私を見据える


.



「……今、無性にAにキスしたい」



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設定タグ:プロ野球 , 上林誠知 , 福岡ソフトバンクホークス   
作品ジャンル:恋愛
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凛*.(プロフ) - リンさん» リンさん(´∀`)ついにです...!ここまでお付き合いくださってありがとうございます! (2018年11月11日 23時) (レス) id: da5814e32d (このIDを非表示/違反報告)
リン(プロフ) - つ…遂に!! (2018年11月11日 23時) (レス) id: 03ef5bc57a (このIDを非表示/違反報告)
凛*.(プロフ) - 澪さん» 澪さん◎ありがとうございます( ; ; )嬉しいコメントに私もキュンキュンしちゃいました(´▽`*)応援ありがとうございます! (2018年11月10日 14時) (レス) id: da5814e32d (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 突然のコメント失礼します。殿堂入りおめでとうございます!とてもキュンキュンしながら読ませていただいてます。これからも更新頑張って下さい! (2018年11月10日 12時) (レス) id: 10f685532e (このIDを非表示/違反報告)
凛*.(プロフ) - リンさん» リンさん◎ありがとうございます!是非2人の行く末を見守ってください...! (2018年11月6日 7時) (レス) id: da5814e32d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:凛* | 作者ホームページ:https://twitter.com/j2hi_ve  
作成日時:2018年9月18日 1時

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