16恋*side上林誠知 ページ17
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弾ける泡、弾けきらない想い
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「うっわ泡出てきた
A、コーラ振ったろ」
「あっごめん!走ってきたから…」
「なんで走んの」
「誠知が見えたから、つい」
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ごめん!って両手を合わせるA
Aに貰ったコーラを開ければ
しゅわしゅわと泡が零れて…
俺の靴、濡れたんだけど
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「…あっそ」
「ほんとごめん、タオル貸すから」
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なんだよ、何でそんな可愛い理由なんだよ
それに、さっきまでのイライラも
原因はAなはずなのに
Aと話せば…どっか、飛んでって
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(…惚れた弱み、かよ)
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"惚れた"…って
頭の中で単語を浮かべるだけで
なんでこんなに、顔熱くなるんだ
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今が夜でよかった
日中だったら、きっと赤いだろう顔のこと
絶対からかわれてた
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(…調子、狂うんだけど)
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「…今日、おしゃれじゃん」
「え、そう?」
「普段Tシャツにジーパンなくせに」
「だっていつもは仕事だし!
動きやすい服装のがいいんだって」
「あっそ。
で、なんで今日はそんなおしゃれなの」
「…別にいいでしょ」
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Aは軽くブランコを漕ぎながら
べーって舌を出す
…ちょっと?いや、なかなか腹が立って
俺はただ、ぐっと黙り込む
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理由なんてそんなのわかってる
東浜さんに会うためだろ…って、知ってるのに
わざとAに愚問を投げかけるバカな俺
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「最近どうしたの誠知
カルシウム足りてないんじゃない?」
「毎朝ヨーグルト食ってるけど」
「あっれ、ヨーグルトってカルシウムだっけ」
「…お前アホだろ」
「痛っ!もう、不意打ち反則!」
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ぐっ、とAの顔が近付いてくる
心臓がバクバク、高鳴ってくのを
バレないように…Aの頭にデコピンして誤魔化した(もちろん、手加減はしてる)
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「…でもさ、誠知」
「ん?」
「悩んでるなら言ってよ」
「…」
「だって、私たち」
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"幼なじみ"でしょ?
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三日月の形に目を垂らして
白く光る蛍光灯の下で、Aは優しく微笑んだ
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「……っ」
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何でそんなに、可愛いんだよ
何でそんなに、綺麗になったんだよ
俺達は同じ病院で、同じ日に生まれて
同じ街で育った、兄妹同然の"幼なじみ"
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だけど、俺の中でいつしかAは
幼なじみ以上の存在になってた
ずっとずっと、言葉に出来なかった想いがある
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「…誠知?」
「…あー…ごめん、何でもない」
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気づけばAの細い肩を
両手で掴んで、顔を寄せていた
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凛*.(プロフ) - リンさん» リンさん(´∀`)ついにです...!ここまでお付き合いくださってありがとうございます! (2018年11月11日 23時) (レス) id: da5814e32d (このIDを非表示/違反報告)
リン(プロフ) - つ…遂に!! (2018年11月11日 23時) (レス) id: 03ef5bc57a (このIDを非表示/違反報告)
凛*.(プロフ) - 澪さん» 澪さん◎ありがとうございます( ; ; )嬉しいコメントに私もキュンキュンしちゃいました(´▽`*)応援ありがとうございます! (2018年11月10日 14時) (レス) id: da5814e32d (このIDを非表示/違反報告)
澪(プロフ) - 突然のコメント失礼します。殿堂入りおめでとうございます!とてもキュンキュンしながら読ませていただいてます。これからも更新頑張って下さい! (2018年11月10日 12時) (レス) id: 10f685532e (このIDを非表示/違反報告)
凛*.(プロフ) - リンさん» リンさん◎ありがとうございます!是非2人の行く末を見守ってください...! (2018年11月6日 7時) (レス) id: da5814e32d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:凛* | 作者ホームページ:https://twitter.com/j2hi_ve
作成日時:2018年9月18日 1時