□. 中島卓也 リクエスト ページ21
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背伸びをした
甘い甘いカクテル
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「あーやばい」
「どうしたん」
「私、今日酔う日だ」
そう言いつつグラスに口をつければ、「あんま飲み過ぎるなよ」と諭す卓也くん。
母親のように笑うものだから、卓也くんが私の親なんじゃないかと思うこともしばしば。
目の前の卓也くんは、梅酒の入ったグラスを傾けて口に含んだ。
「でも、いいか」
「何が?」
「卓也くんの前なら安心だし、べろべろになっても大丈夫か」
「…Aの危機感の無さは尊敬するレベルだわ」
「え、そう?えへへ」
「褒めてないから。
…でも、他の男の前で酔い潰れられるのよりはいいか」
「ん?なんか言った?」
「いや…特に何も」
「そ?でも、つまりは飲んでもイイってことね?」
「…まあ」
「やったぁ。お兄さーん、カクテルもう一杯!」
初めて飲んだここのカクテルは、甘くて美味しい。
身体が熱くて気持ちが昂っているのは、きっとこのカクテルのせい。
卓也くんも、ほんのりと頬が赤く染まっていて。
「ふふ」
「どうしたん」
「酔ってきたかも」
「そ?」
「うん」
心なしか、お酒に手をつけるスピードが速くなっている気がした。
「…なぁ、A」
「んー?なぁに?」
「どうせ酔うならさ」
「うん」
「俺んち…来ん?」
「…へっ?」
お、お、お、俺んち…来ん?って…
なになに、どういうこと?
聞き間違いかな?…うん、そうか。そうだよ。
「卓也くん、私聞き間違えたかな。
今、俺んち来ないかって誘いを受けた気がしたの」
「いや?聞き間違いじゃないけど」
「…」
待て待て。
卓也くんは分かってるのか?
女が男の家に行くって、つまりはそういう事だよ。
ぐるぐる回るような感覚が、脳内を巡る。
…卓也くんも、酔っ払ってるのかな?
そう思って卓也くんの方を見れば、頬は少し赤いものの、冷静さは健在のようで。
…ああ、もう。
どうすればいいの、私。
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「…Aは俺のこと、お母さんみたいとかよく言うけどさ」
これ、下心大ありだから。
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少し俯いたまま、卓也くんは呟いた。
片手で顔を隠して、それから残りのお酒を飲み干して。
その小さな仕草にさえ、どきどきしている自分がいることに気づいた。
(これは…もしかして)
(likeがloveに 変わる時?)
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「…どーする?」
イエス?ノー?
目の前に置かれた二択。
「…イエス、です」
差し出された大きな手を握って、始まる長い夜
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凛(プロフ) - ロケットさん» ロケットさん´`*お返事遅くなって申し訳ないです(T_T)この作品もいつか更新できたらと思いますのでその時はよろしくお願いします! (2019年9月16日 16時) (レス) id: 9e717ea10a (このIDを非表示/違反報告)
ロケット - ( ゚∀゚)・∵. グハッ!!最高でした!他の作品の投稿頑張ってください! (2019年7月25日 21時) (レス) id: 90ba40770e (このIDを非表示/違反報告)
凛*.(プロフ) - 現在リクエストは受け付けておりません( ; ; )申し訳ないです...! (2018年10月13日 0時) (レス) id: da5814e32d (このIDを非表示/違反報告)
みるく。 - この小説大好きです!リクエストなのですが、ファイターズ中島選手で、甘い系でお願いします! (2018年9月29日 14時) (レス) id: 8cf90193ed (このIDを非表示/違反報告)
瞳(プロフ) - こんばんは!カープの鈴木選手が彼女にプロポーズする話をお願いします!事前にタナキクマルに相談し、プロポーズ時には影で見守っている部分も入れて下されば嬉しいです! (2018年9月22日 20時) (レス) id: 10d7566248 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:凛* | 作者ホームページ:https://twitter.com/j2hi_ve
作成日時:2018年1月21日 16時