最終話 ページ36
寒さも緩んだ小春日和の日曜日の午後は眠気を誘って…
ソファに寝っ転がりうとうとしながらもベランダで布団をパタパタ叩くAちゃんを見てた。
正月に実家に帰った時に『それなら尚更、ちゃんとして亡くなったご両親と弟さんを安心させてやりなさい』と親父に言われ…
まだ付き合い始めて早々で焦りすぎかもとは思ったけえど、俺自身もそういう思いもあって…
と…言うかただもうこの後の俺の人生にAちゃんがいないなんて考えられず、決死の覚悟で眩い光を纏った天使にプロポーズして、今こうやって幸せの絶頂の最中に俺はいる。
まぁ…若干、ダイヤモンドダストっていう滅多に見る事のできないシチュエーションに助けられた部分もある。
「翔くん？」
半分、寝かかってたところでソファに座ったAちゃんに声をかけられて…
すかさず、その膝に頭を乗せた。
「なぁに？おねだり？」
クスクス笑いながらテーブルの上に手を伸ばした。
「はーい、動かないでね？」
そう言って真っ白なフリフリエプロン姿のAちゃんは耳かきで俺の耳掃除をしてくれる。
これがAちゃんにやって欲しい事ナンバー１！
新婚、エプロン姿…
シチュエーション共に完璧なナンバー１である。
「ん〜…気持ちいい…。」
「コラ。動いちゃダメ。」
ソウタの面倒を見てきたAちゃんは、こんな風に男の俺が甘えたりしても幻滅したり嫌な顔もしない。
逆にこういう俺でもいいんだとか…。
元々の性格か…
はたまた育った環境か…。
「はーい、反対でーす。」
クルリと反転して顔がAちゃんのお腹にくっつく。
「ねぇ？」
「ん？」
「この間、コンビニで缶コーヒー買ったらクジ引きでアイス当たったんだ。Aちゃんのおやつね？」
「やった！当たったアイスってなんか自分で買うよりも余計に美味しい気がするの！」
いや…味は同じだよ？
でも本気でそう思ってるAちゃんが可愛くもあり、愛おしくもあるからしょうがない。
「はい、おしまい。」
その声で仰向けになってAちゃんの顔を見上げた。
見えたのは綺麗に笑う一輪の花。
高嶺に咲く花じゃなく、俺のそばで永遠に咲く花。
「おやつにしよ？」
テーブルに並ぶあの日と同じ缶コーヒーとクジで当ったアイス…
ソファに並ぶ俺とAちゃん。
幸せってきっとこういう事…。
『花子さんと僕』…Happy End.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2211人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さとち(プロフ) - 最後までしょーちゃんを見届けさせてくれてありがとです(*´∀｀*)ロマンチストなしょーさんにぴったりなプロポーズシーン。きゅんきゅんしちゃいました。ヘタレくんが成長してく様子を見守れて幸せでした(^^) (2019年11月17日 8時) (
レス) id: 71c5d1241d (このIDを非表示/違反報告)
プリ(プロフ) - 完結おめでとうございます。私はヘタレてても優しくて少しずつでも頑張る翔くんが大好き。プロポーズのシーンもとっても素敵だった。素敵なお話しをありがとうございます。これからも楽しみしてます(^-^) (2019年11月10日 12時) (レス) id: cd103d13f3 (このIDを非表示/違反報告)
にのゆう(プロフ) - 完結お疲れさまでした。私はしおななさん大好きです(*´▽｀*) (2019年11月9日 12時) (レス) id: 36f104c3b0 (このIDを非表示/違反報告)
すりおろし梨。(プロフ) - 終わった〜。あんなにヘタレだった翔くんが 花子さんに釣り合うべくカッコよく成長！ てか、まあ、初めから素材は完璧なんだからまあ当たり前か。多少ヘタレがまたかわいい（≧∇≦） こんなかわいいバカップルになれるなんて(//∇//)お互いに好きすぎていいなぁ〜 (2019年11月9日 11時) (レス) id: 285da43cef (このIDを非表示/違反報告)
あゆママ(プロフ) - 完結おめでとうございます！(*´∀｀)ヘタレな翔さんが成長していくのが楽しみでした。終わってしまうと寂しいですねぇ〜。歌は息子が大好きで、ピアノでよく弾いていたので知りました(笑)可愛い曲でこちらも好きになりました。また二宮さんのお話もお待ちしています！ (2019年11月9日 7時) (レス) id: ddbf446660 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：しおなな
| 作成日時：2019年9月20日 15時
