８２☆ ページ2
松本さんが先に帰ると言ってその背中を二人で見送り…
『…送ります。』
泣きそうな顔で無理矢理、笑顔を作った櫻井さんがそう言い、駅まで並んで歩く。
土曜日にデートした時はその綺麗な手で包まれてた私の手はそのまま空気に晒されていて…
会話も無く、櫻井さんが何を思ってるのかその表情を盗み見るけど何もわからない。
最寄りの駅に着き『ここでいい』と告げたけど、『頼りないかもしれないけど家まで送ります』と引く事はしてくれなさそうなので頷いた。
時間も時間なので駅から離れた住宅街は静かで私のパンプスが鳴らす音がコツコツと響く。
「…俺…。」
その音混じってポツリと聞こえた頼りないか細い声。
聞き逃さないように耳を澄ました。
「Aさんの取扱説明書が欲しいです…。」
「え？」
「それがあれば何回も何十回も何百回も…ボロボロになるまで読んでAさんが喜んで笑ってくれる事だけできるのに…。」
今日の事を本当に後悔してるのか俯いた横顔は泣きそうで、声は切なく掠れてる。
「確かそんな歌ありましたね…。」
「女の子はみんなああいう風にして欲しいんですか？歌詞…そこまで把握してないけど、Aさんがそうなら何回も聞きます。」
「人によると思いますけど、私はああいうタイプじゃないですし…ああいった女の子は友達としてもちょっと…苦手かな…。」
ただの我儘の押し付けだと思うし、そんな関係は異性だろうと同性だろうと上手くはいかない。
もちろん、あの歌詞のように愛されたい願望の女の子は世にはたくさんいると思うし、そういう女の子を愛したい男性もいるだろうし人それぞれでいいと思う。
「…俺…どうしたらいいだろう…好きなのに…全然上手くいかなくて…。こんなはずじゃなかったのに…。」
泣きそうに声が震えてる櫻井さんの手をそっと握ると、一瞬ビクッとしたけど指を絡めて握り返された。
「この手を離したくない…。」
そう言うとギュッと痛いくらいに握られて…
そのまま話す事なく私の部屋まで歩いて…
玄関のドアの前で手を離されると、
「本当にごめんなさい。」
深々と頭を下げられた。
「え？櫻井さん？！」
「俺がヘタレで自信ないせいで傷つけて…本当にごめんなさい。」
頭を下げたままの櫻井さんにどうしようとあたふたしてたら同じ階の住人がエレベーターから降りてきて、急いで鍵を開けて櫻井さんを中に押し込んだ。
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キミ(プロフ) - 糖度マックス！！こんなに甘やかされてみたいものです！ (2019年9月18日 23時) (
レス) id: 744bc54dd4 (このIDを非表示/違反報告)
しょうくん(プロフ) - 朝から幸せでデレデレなお二人(//∇//)ありがとう。もっと甘々糖度上げてもいいですよ(^^)翔さんの幸せな日が続きますように。また更新楽しみに待ってます(^ ^) (2019年9月18日 8時) (レス) id: 490943dac7 (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - おはよぉーございます。ウザい翔くん大歓迎！もっともっとウザくても良いかな(笑)続きが楽しみです♪ (2019年9月18日 7時) (レス) id: bd0ebe94fc (このIDを非表示/違反報告)
しおなな(プロフ) - あゆママさん» 私も久々にここまで甘いカップルを書きましたよ（笑)やっぱり私はこういうのを書いてる方が性に合ってます。 (2019年9月18日 7時) (レス) id: b0600f2388 (このIDを非表示/違反報告)
しおなな(プロフ) - Fu--chanさん» それはもうすっごい濃いエスプレッソを飲みたくなるくらいの甘さだと思いますよ（笑)幸せそうでなによりです。 (2019年9月18日 7時) (レス) id: b0600f2388 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しおなな
| 作成日時：2019年3月4日 19時
