∬020 ページ22
.
Aに取り残されたジョナサンとディオは、お互い顔を見合わせて「 ? 」の顔を作った。
数分後、嬉しそうに息を切らしてAが戻ってくる。
その腕に自分のドレス一式を抱えて――
それを見たジョナサンは、椅子を倒す勢いで立ち上がった。
「そ、そのドレス! もしかして『アレ』をやるのかい!?」
「そうよ、『アレ』をやるのよ!」
Aはテーブルの上にずらーっとトランプを並べた。
「『アレ』ってなんのことだい???」――座っていたディオも立ち上がる。
「フフフ。今からする遊びはね、私とジョジョが小さいころよくしていた遊びよ」
「もうそんなことする歳じゃないだろ!?」とジョナサンは大げさに手を広げた。
「だからさっきから何を言ってるんだ?」
ディオの問いかけに、Aは人差し指を『ビシッ』と突き立てた――「洋服チェンジゲームよ!!」
「なんだい、それは」
《洋服チェンジゲーム!!
それは幼いころ、トランプ遊びに飽きたAが編み出した新しい遊び!
ルールはいたってシンプル!
トランプでハートのカードを引いた者が負け!
敗者は勝者に身につけている物を1点差し出し、勝者も敗者と何か1点交換するという、勝ち負けのわからないゲームである!》
「私はジョジョのカードを、ジョジョは私のカードを、ディオも私のカードを引くのよ」
ディオは疑わしい目つきで、「ちょっと待て。それじゃあ結局、ぼくらは君の服で女装することになるんじゃあないか」
「あら、何か問題でもある?」
Aがマリー・アントワネットさながらの視線を向けると、ディオはぐぬぬと唇を曲げた。
ジョナサンは窓の向こうの雲を眺めている。
「ジョジョは私が今着ている服と交換、ディオは私が部屋から持ってきたドレス一式から選んでいってね」
《ドレス一式――フランス人形のようなヒラヒラの帽子、ピンクのふわふわワンピース、その下に穿くペチコート、白タイツ、赤い靴!》
「それじゃあカードを配るわね」
「…………(このディオともあろう者が……)」
「…………(帰りたい。自分の家だけど)」
・
・
・
最初にハートのカードを引いたのはAだった。
Aは大きく息を吸う。
「さあジョジョ! 私の何から交換する?」
力のない声で、「君のその真珠のイヤリングと、ぼくのリボンタイをチェンジ……」
「ふーん、地味ね」――Aは右耳からイヤリングを外す……
.
92人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ジョジョの奇妙な冒険」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
推しの命は私の命 - ジョナサン空気( ゚இωஇ゚) (10月15日 15時) (レス) @page43 id: 0046fb2d1c (このIDを非表示/違反報告)
油電(プロフ) - 黒猫歳花さん» コメありがとうございます…!そう言っていただけて嬉しいです(*´ω`)これからも、胸に刺さるキュンキュンを目指しながらお送りしますッ (2018年5月4日 23時) (レス) id: 95fd139937 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫歳花(プロフ) - はじめまして、この作品を読んでいるとディオにキュンとしっぱなしで楽しいです!これからも頑張ってください(*^▽^*) (2018年5月4日 20時) (レス) id: ae43b29bb1 (このIDを非表示/違反報告)
油電(プロフ) - おバカな傀夢さん» ありがとうございます笑 ディオのキャラが崩壊していないか不安でもあります(汗)お話も中盤にさしかかって参りました…! 引き続きよろしくお願いします(*^-^*) (2018年5月4日 12時) (レス) id: 95fd139937 (このIDを非表示/違反報告)
おバカな傀夢(プロフ) - おおっ!?やっと…やっと気が付いたかッ!ディオ〜!!大好きだ〜!!油電様も大好きです笑 (2018年5月3日 22時) (レス) id: 5ff30031ff (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:油電 | 作成日時:2018年4月1日 21時