無感情ブラックⅡ【刀剣乱舞】 (ページ9)

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.加州清光

　俺が主の元に降りてきたのは、この本丸が立ち上がってから、既に半月ほど経過した頃だった。

　その頃、安定は俺よりも早く顕現していたものの、まだ同じ新入りの括りで……。うちは来た順に部屋を振り分けていたもんだから、当然のように俺と安定は同室になった。

　俺は、こんなとこに来てまでこいつと一緒かよ、とか、ちょっとうんざりしたけど。なんだかんだでいつも一緒だった俺たちは、すぐに自他共に認める「相棒」になった。

　新参連中は知らないだろうけど、主は、何も最初からあんな感じじゃなかったんだ。たしかに、出陣の頻度は他の本丸に比べて多かったし、乱は審神者部屋にいりびたりだったけど、ぜんぜん優しかったし。わらった顔は、見たことなかったけどさ。他の審神者からむずかしい顔をされることだっていっぱいあったけど、それでも俺たち、うまくやってきたんだ。

　それが変わったのは、本丸ができてから大体一年がすぎた頃。

　突然、ばあんって大きな音がした。おどろいて審神者部屋に寄ってったら、呆然とした顔の乱がいた。乱は、現世の女の子が着るような服を着てた。そのことにまず愕然(がくぜん)としたし、何より、鬼みたいな形相の主に、俺は身体を固まらせた。当然、何があったのって訊こうとした。だけど、真っ赤な顔で頬を押さえる乱を見て、何も言えなくなった。

　まだ一期一振はいなかったから、そのときは代わりに鯰尾が来た。鯰尾は、主と乱の顔を見比べて、乱を立たせて、ふたりを審神者部屋に連れてった。

　いま思うと、すっごい冷静な鯰尾だったんだなって思う。……まあその鯰尾も、今はもういないけど。昔っからいるので残ってるのは、俺と安定と、乱と、獅子王くらい。あとはみんな折れたり、あとから来たり……

　だから、やさしかった主を知ってるのは、もう俺たちしかいないんだ。

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　何やらゴチャゴチャして、雲行きが怪しくなってきましたが、これからも11号をどうぞよろしくお願いします。

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