無感情ブラック【刀剣乱舞】 (ページ19)

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　いうなれば、審神者様は、彼の弟君をお守りになったわけですから。

　それに、常に無表情で冷たい印象を受ける審神者様が、人間をかばって斬りつけられたことも、彼にはショックだったのかもしれません。

　いえ、一期一振様だけでなく、全員にでしょうね。

　何せ彼らは顕現されてからずっと人の欲望に振り回され、人の身勝手さを思い知らされ、自己中心的な面にばかり触れ続けていたのですから。

　つまり……ちょっとしたカルチャーショックのようなものでしょうか。

　とにかく、一期一振様の瞳に先程までの荒々しさはなく、静かに金色が波打っていました。

　彼が何を考えているのかは、私には図りきれませんでしたが。

　審神者様が目を覚まされたときも、鶴丸様は何もいいませんでしたが、あからさまにほっとしておりましたよ。

　絆された、というところまではいきませんが、自分の軽率な一言で、ひとりの審神者が命を失い、ひと振りの薬研藤四郎様が路頭に迷われるかもしれなくなったのですから、まあ心配は致しますよね。

『おはよう……ございます。あの、私はどのくらい寝ていたのでしょうか』

　場に似つかわない審神者様の一言に、みな様、苦虫を噛み潰したような顔をしていらっしゃいました。

　おいおい、そうじゃないだろう、ってね。ああ、当然、私もですよ。

『これくらいの出血で、私は死にませんよ』

　そうおっしゃられたときも、江雪様なんかがギョッとした顔をしていました。まあ私は、多少審神者様の事情を以下略ということで、「そりゃ死にはしないでしょうけれど」と思っていましたが、やはりあのような行動は今後謹んで頂きたいですね。心臓が持ちませんから。

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