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先輩が小さく震えた声で嶺亜君を名指しするも、嶺亜君は何も動じていない


『なに?俺が原因?』

『…原因だなんて言ってないじゃん…ただ、、』


先輩が口ごもる
…この流れからして先輩はきっとまだ嶺亜君のことが好きで、…俺はフラれるんだと思う

続きを見なくてもそんなこと誰だってわかるはずなのに俺は、二人の姿をじっと見てそこから動くことができなかった
防衛した方がいいと分かっているけど…一縷の望みが捨てきれないのか…はたまたドMなのか…


『俺がなんだっていうの?ちゃんと言ってくれないとわかんないから』


嶺亜君が少し強めに先輩に詰め寄る
…だけど先輩はたじろぐこともなくこうはっきり言い切った



『…嶺亜のこと置いて…私だけ幸せになんてなれないよ…』



この言葉は俺にとって少し意外であった
てっきり、先輩は嶺亜君の事が好きで…いや、どんな形であれ今でも好きではあるのだと思う

だけど、先輩の中に俺と…幸せになる、、なんて考えは微塵もないと思っていたから俺は、そこに何より驚いてしまった


…そして同時に、先輩が嶺亜君のことをまだ好きで一緒になりたいなんて下衆な考えを持っていたことに対して恥ずかしくなった


『何言ってんの?』

『だって…私の今までの生活は嶺亜の苦労とか、苦しみの上に成り立ってたのに…また私だけ、、一人で幸せになるとか…しかもよりによって相手は矢花だし、、そんなの、、酷すぎるよね』


先輩は少し俯き、嶺亜君はハッと何かに気付いたようだ
『よりによって』その言葉が何を意味しているのか分からないけど…


『ねえ、A』


嶺亜君は少し泣きそうなでも優しい顔で先輩を呼んだ
その嶺亜君の表情に俺にも込み上げてくるものがあった


『俺はその逆、お前が幸せになってくれないと俺は一生嫌味言い続けるよ』

『…なにそれ』

『お前が幸せになってくれないとさ、俺が辛い思いしてきた甲斐がないってもんだから』

『…嶺亜』

『…お前はどうしたいの?』


嶺亜君が子供をあやすみたいに先輩の頭を撫でる
…先輩は泣きそうになるけど…ありがとなんて小さく呟いてこちらに向かってくる


…やばい、隠れないと!
そう思い近くの男子トイレに身を潜める


先輩が通り過ぎたのを確認した後、そっとトイレを出る


『やーばな』

『げっ、、嶺亜君…』

『盗み聞きなんてタチ悪いなぁ』

『すいません…』


嶺亜君はさっき先輩にしたみたいに優しい顔になってこう言った


『幸せにしてね』

君はドルチッシモ→←.



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マリエ(プロフ) - 妄想女子さん» 他担さんに読んでいただけて嬉しいです♩身に余るお言葉をいただきありがとうございます♡ (2023年9月23日 14時) (レス) id: 042a02654e (このIDを非表示/違反報告)
妄想女子(プロフ) - 本当に偶然このお話に出会って、他担なのですが、初めから最後まで3時間ぶっ通しで読み続けてしまいました笑すごく好みの作品に出会えて嬉しいです、ありがとうございました。 (2023年9月23日 4時) (レス) @page50 id: a281949802 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:マリエ | 作者ホームページ:http://commu.nosv.org/p/taka231  
作成日時:2022年10月26日 21時

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