． ページ45
『矢花すげ〜じゃん、あれ、お前まさか…』
こんぴーがニヤニヤしながら白くて細い腕で俺の腹を突いてくる…右手は小指だけ立てるハンドサイン…今は本当にシャレにならないからやめてほしい
『そんなんないから！』
『いや〜、矢花ってわっかんねぇからなぁ〜』
こんぴーが急に元気になった
このテンションの上がり具合な時はロクなことがない…長年の付き合いでもうそれはわかっている
俺にグイグイと寄ってくるこんぴーに寄り添う奥さん。そこに奥さんの友達やこんぴーの友達も寄ってきて…カオスだ、、なんだこれ…
その中に先輩と嶺亜君の顔は見えなくて…なんだかやっぱり気になって狭い庭の四隅を見渡す
…あ、いた…
案の定先輩と嶺亜君は一緒にいたが…二人の雰囲気はいつもと少し違う
なんか、、深刻な表情？二人で何を話し合ってるんだ？
最初は俺を囲んで盛り上がっていたはずの集団もいつのまにか俺をそっちのけで盛り上がるようになっていた
…まぁ、別にいいけど
遠慮なく抜けて、なんとなく先輩と嶺亜君のいるところまで足を進める
俺が近づいてきたのを察知してか、してないのかは分からないけれど二人は建物の中に入ってしまった
…あれ？俺、蚊帳の外？
二人は本来兄妹なのだから別に僻むほどでもないけど…なんだか少し寂しい気持ちもある
『お前さぁ、なんで…』
二人を追いかけて行った矢先、そんな声が聞こえた
…これは嶺亜君の声だ
『…だって、私だけ…』
これは先輩の声
二人の声色だけを聞くとなんだか少し揉めているような気がする、、
俺は申し訳ないと思いつつも壁に耳を当てて二人の会話を盗み聞きする
『…急に怖くなった？』
『ううん…まあ、それもあるけど』
『矢花のこと嫌いなの？』
自分の名前が出てきて心底ドキッとした
そしてなんとなく二人がなんの話をしているのかを察した
…これ、俺一番聞いちゃいけない話だったな、、
でも、聞いてしまったものは仕方がない。気になるし…そのまま立ち去ろうとも思えない
『…そんなわけないじゃん』
『まぁ、だよなあ』
『矢花のこと受け入れてやれよ〜』
話を聞けば聞くほどなんだか居心地が悪くなってくる
…この先の話を俺は、、聞いていいのか悪いのか分からない…でももう戻れないこともまた確かだ
『…嬉しかったよほんとに』
『じゃあそれをなんで矢花に言ってやらないの？』
『嶺亜…』
『え、俺？』
嶺亜君が…原因？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 189人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
マリエ(プロフ) - 妄想女子さん» 他担さんに読んでいただけて嬉しいです♩身に余るお言葉をいただきありがとうございます♡ (2023年9月23日 14時) (
レス) id: 042a02654e (このIDを非表示/違反報告)
妄想女子(プロフ) - 本当に偶然このお話に出会って、他担なのですが、初めから最後まで3時間ぶっ通しで読み続けてしまいました笑すごく好みの作品に出会えて嬉しいです、ありがとうございました。 (2023年9月23日 4時) (レス) @page50 id: a281949802 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：マリエ | 作者ホームページ：http://commu.nosv.org/p/taka231
作成日時：2022年10月26日 21時
