私はラメントーソ (ページ38)

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．ページ38

『嶺亜と…私が、、兄妹？嘘でしょ？』

信じられない、受け止めきれない事実に手足はガクガクと震え血の気が引いていく感覚がした

私がこんなんだと言うのに嶺亜は表情ひとつ変えず、真剣な顔で私を見ていた

『…こんなとこで嘘も冗談もいわないって、、ほんとだよ。俺はあの女…お前の母親の息子だし、お前の兄ちゃんだ』

『…信じられないよ』

『だろうな、…まあ、俺は最初からAが妹だって知ってたけどね』

『だから…』

『ん？なに？』

『だから、、嶺亜、私の名前知ってたんだ』

サークル勧誘の波に揉まれていた私を助けてくれたあの日…嶺亜は確かにこう言った

【よろしくね？、、阿達さん】

…その時は名簿でもあるのかな…なんて馬鹿な考えしか浮かんでこなかったけど

…嶺亜は確かに私の存在を知っていたんだ、、

『…ちっちゃい頃、親父から聞かされてたんだよ。母親はお前を捨ててAって子と暮らしてるらしいぞって。そんなこと普通子供に言うか？…あの親父もどうかしてるんだよ』

『…嶺亜のお父さんって…』

『お前の母親の最初の旦那だよ。まあ、あいつら二人でギャンブル三昧だったらしいし？父親とか母親とか呼びたくないんだけどなあ、、』

…嶺亜の言葉が怖くて素直に受け止めることができない

『…Aって名前でお前が妹だってことはすぐわかったよ』

『嶺亜、お母さんと会ってたの？』

『まさか、死ぬ間際しか会ってねえよ…A、俺の名前あの女に出した？』

『出した…かも、、、出した気がする…』

『それで、あの女。わざわざ学園祭を見に来て…俺に声かけたんだ…』

あの時…お母さんにはフェスのことは全く話さなかったのになんでいるんだ、、と思っていた…まさかそんな事になっているとは思わずに

『Aと慶に絶縁されてからは俺のところに恥ずかしげもなく助けを求めてきたんだよ？どうかしてるでしょ？』

『…うん、、』

『でも俺には見捨てることはできなかった…結局、金の援助と軽い介護しちゃったよ…あんな女…捨てちゃえばよかったのに…俺がされたみたいに』

『…嶺亜』

『でも、あの22年間ずっと母親の面影を追ってきたんだ…簡単には、、そんな簡単に見捨てられなかった…』

目の前の嶺亜をみて絶望的な気持ちになる
彼をここまで追い込んだのは母親で、、そして私達だ

触れるのすら許されないような気がしてただ呆然と立ち尽くすことしかできなかった