私はラメントーソ (ページ22)

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『なんでわからないのよ！！』

『わかりませんよ！…俺が…無意識のうちに嶺亜君のことを傷つけるようなことを言ってたなら教えて欲しいですよ…』

『…どうしてここまで言って分からないの！』

『わかりません！』

…呆れたようにソファーにどすんと座る私に執着するようにすぐ隣に座る矢花

私のことを追い詰めるように彼はどんどんとその距離を縮めていく

『好きなのよ…嶺亜は。
…矢花の事が、、』

…嶺亜、、ごめんなさい
だけどこのままじゃ貴方がもっと傷つくと思ったから…

なんて言い訳にならないよね

ただ私が口の軽い奴だっただけだよね

『え…？…嘘、、』

真横に座る矢花は完全に気が抜けて表情筋の動きが全くない
ただただ宙ぶらりんな手をソファーに置いてぼーっと座っているだけだ

『…本人に聞いたんですか？』

『本人に聞いたわけじゃないけど、、』

『じゃあどうしてわかるんですか？』

『それは…私と克樹の勘っていうか、、とにかく、見ててわかるのよ！』

『そんなあてにもならないような感じで言ってるんすか？』

…そう言われてみれば確かにそうだ

確かに、嶺亜が矢花と話す様子は紛れもなく愛で恋だとはっきり見てとれるけど…本人に聞かない限り確証はない

『…ごめん、、忘れて、、』

十中八九、嶺亜は矢花の事が好きだと思う
私が彼に熱い眼差しをかつて向けていたように、彼もまた矢花にその視線を向けていた

『どっか食べに行く？』

とりあえずもう、嶺亜の話は一旦置いておくことにしようと矢花に外食の提案をしたのだけれど珍しくあまり乗り気ではなさそうで決まり悪そうな表情のまま俯いていた

『…一回髙さんの所行きません？…食べに行くのはその後です』

『でも…』

『…現実見ましょ』

矢花が真剣な眼差しのまま私の肩に手を置いた
私はその瞳で少し目が覚めた

携帯で克樹を彼の家の近所のファミレスに呼び出し、そこに私達も向かった

『…矢花色々ごめんね』

『…こっちこそすいません…改めて謝罪させて下さい…』

『いいよもう、仲良くやろ？』

『そうですね』

矢花となんだか気まずい仲直りをして、二人でファミレスに向かった

『…どうしよう克樹に絶交されたら、、』

『絶交ってなんですか。小学生じゃあるまいし、、』

『でもきっともう私に会いたくないよね…』

『今考えてもしょうがないですよ。とりあえず行きましょ？』