私はラメントーソ (ページ11)

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『ごめん…』

なんだか厨二病っぽくて、あまり思い出したくはないのだけれど克樹と別れた頃を思い出すと頭がずんと重くなる感覚がある

『…そんなことはいいよ別に』

『怒ってる？』

『怒ってるわけないじゃん。六年も前のことだよ？そんな嫌味な男じゃありません』

…口ではそう言うけど、克樹は意外と根に持つタイプだと言うことを私は知っている

『…本当に？』

『本当だって。そんなことよりさ、

…A、今彼氏いんの？』

『なんで？』

『気になっちゃダメ？』

多分軽い気持ちで、世間話程度に書いてるんだろうけど、今の重々しい雰囲気からいきなりその話題を出されると何かあるのではないかと勘繰ってしまう

『…いないけど』

『ふ〜ん』

『何？克樹、酔ってない？』

『まあ…酔ってるけどさ、、』

『酔ってるけどなに！』

少し沈黙が続いた後に、克樹は少し俯きながらこう言った

『…なんか、正直ずっと好きだったとかそんなんじゃないけどさ、、こう、…んー、なんて言うかずっと頭の片隅に、どうしてるかな…とか、元気にしてるかな…とか思ってたって言うか、、』

決まり悪そうにモゴモゴと口を動かす克樹に少しイライラしてしっかり話すように促すと少しだけ酔いが覚めた様子で私の瞳を見つめてきた

また少しよくわからない時間が生まれた後に克樹ははぁと少し深いため息をついた後に申し訳程度に顔を手で隠すような仕草をした

『多分…ずっと気になってたんだと思う、、』

そう言われ私が思考停止している最中に隣で俺って中学生みたいだな、、なんて言っているのが聞こえた

『気になってた？私の事？…それってどういう、、』

『ん？…なんか心残りっていうか…気がかりっていうか、、』

『小さい子供を一人で留守番させてるお母さんみたいな気持ちってことで合ってる？』

そう言うと克樹は少し笑った。口元に綺麗な窪みができていてなんだか絶景だ

『そうだね、やっぱり年下だし』

『女の人は男の人より精神年齢が2歳も上なんだよ？知ってた？』

『つまりその理論でいくと、俺はAより年下か、、』

『まあね、そういうことよ』

私の言う事をすぐ理解してくれるのもなんだか克樹らしい

そして彼は少しテーブルから身を乗り出して私に近づいて来た

『確かに子供を持つ親の気持ちっていうのもあるかもしれないけど…それだけじゃないよ。言うなら、、愛ってやつかもしれない…』