僕はアンプロンプチュ (ページ47)

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『だけどさ〜、俺も姉ちゃんもお母さんとずーっと一緒に住んでたのに何も気付かなかったよね…』

『本当よね、そう考えたら気付かない私たちにも非はあったのかも、、』

『でもさ、お母さんどんだけどうしようもない人間なのよ…結婚してパチンコにハマって離婚して…また結婚して不倫して離婚して…また結婚して、、ってあれ？』

『どしたの？姉ちゃん』

『三回目の離婚の原因ってなんだっけ、、』

ふと先輩が我に帰ったようにそう言うから、俺も聞いた話ながらも頭の中を整理して離婚の原因を思い出そうとする

『あ、…三好さんがお母さんにDVしたって、、』

『まさかそれも嘘？』

『ってことは…今までのことを考えると、、』

『お母さんがDVをしてた側？』

三人で考えて妙に納得する
そりゃあ確かに、今までの流れから考えたらそう思うのが当然だよな、、

『ねえでも待って、あんなにガタイのいい三好さんにお母さんが暴力なんて振れる？…返り討ちにあっちゃうんじゃないかな、、？』

慶君がゴソゴソと鞄を漁ってからスマホを出す
少し真剣な面持ちでカメラロール的なものを漁っているので何をしているのかと考えていたら、少し幼い先輩と慶君、そして先輩のお母さん

そして

『もしかしてこちらが三好さん？』

『そうよ。どう？』

『立派な体型ですね、、、』

写真に写ってたのは屈強そうな男の人で、横に並んでる先輩のお母さんがちょっとやそっとじゃびくともしない相手であろうと予想がつく

『じゃあもしかして…』

『お母さん、本当にこの時は暴力振るわれてたのかな…』

『ってことだよね、、これは私たちにも責任あったよね、、』

二人の空気がどん底といった感じになっていたので必死に慰めるけど、二人とも、特に慶君はやっぱりお母さんが少し恋しいようだ

…やっぱり末っ子なんだな、、

『でも、もしDVされてたのが仮に本当だとしても私はお母さんのこと許せないもん。これっておかしい？ねえ、矢花』

『おかしくないですよ。許せないのは当たり前だと思います』

やっぱり嫌な空気が流れるから

『あ、もしよかったら晩御飯一緒に食べます？優勝のお祝いってことで』

と、声をかけた
二人はすぐにいつもの二人に戻って食べる食べる！と声が連なって聞こえてきた

『もしよかったら矢花うち来る？慶も今日泊まりにくるし、なんかご馳走するよ』

確かに先輩の料理が上達したのか気になったので遠慮なく行かせてもらうことにした