僕はアンプロンプチュ (ページ45)

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『お母さん、どういう気持ちで私と暮らしてきたわけ？…どんな気持ちで、、』

言葉に詰まる先輩と多少申し訳なさそうにしている先輩のお母さん
…この期に及んで多少申し訳なさそうな顔をして許される訳なんてないのだが

『私に…私達にずっと嘘ついてたの？』

その回答にはすぐに返事をせず一時の沈黙が訪れた

『ごめんなさい…』

そしてそう一言言うと、また先輩のお母さんはぐったりと項垂れた

『お金に困ってたの…実は、前の旦那にゆすられてて…』

『見え見えの嘘つかないでよ。全部聞いたんだからね、昼間からパチンコ行ってたこととか、、』

『母さん、、これ以上俺たちを失望させないでよ…』

『A…慶…』

『お母さん最低よ！私たちのことずっと騙し続けて…親だからってなんでもしていいと思ってんの？私たちの事馬鹿にしてたって事？』

『親に向かってなんて口の利き方してんの！大体、ここまで育て上げてきたのは私じゃない！五十万ぐらい、、パチンコぐらい別にいいじゃない！！慶なんてこの先だって私がいなきゃろくに生活もできないくせに！』

…な、なんて子供っぽいんだ、、
親ガチャっていうのはこういうためにある言葉なんだろうなと強く実感させられる

先輩はもちろん、このままじゃ慶君があまりにも可哀想だと思うのだけれど赤の他人の俺が入ったところでもっと話がややこしくなるだけだ

どうすればいいんだ…そうヤキモキとしていた時に中村さんがこう言った

『慶君は私がしっかり保証人としてこれから親の責務を果たしていくのでその点は心配ないですよ。…もちろん慶君がお母さんがいいと言えばそれは仕方のない事ですけど…』

『…中村さん』

『慶！あんたこの血の繋がってないおじさんとお母さんどっちがいいのよ？』

今まで散々色々言ってきたくせにいきなりお母さんはないよな…と思いながら慶君が指差す先をじっと見つめる

『俺…中村さんがいいならこれからも中村さんと…いや、お父さんと親子でいたいよ…』

『…慶君、、』

先輩のお母さんはみるみる顔を真っ赤にして茹蛸みたいになっている

『ここまで育ててあげた恩を忘れたの？』

慶君に迫っていくのを先輩が間に入ってそっと交わした

『ごめんね、お母さん。お母さんがお母さんであることには変わりないけど…当分私は距離を置かせてもらうわ。…感謝はしてるけど…でも、、ごめんなさい』

そう言って先輩が頭を下げた