僕はアンプロンプチュ (ページ30)

今日:3 hit、昨日:32 hit、合計:20,550 hit

夢はでっかくページ30

思いつきで俺がさらっと言った事に驚愕する先輩
だけど、俺は全く冗談で言った訳ではない

高校一年生のあの日、先輩の歌を聴いたあの日からいつかこの人と、、そんな思いが心のどこかにあった

まあ、普段の先輩はそんな才能秘めてるなんて事を忘れさせてしまうぐらい変わった人なのだけれど、…変人は天才とはよく言ったものだ

『矢花が歌うの？私キーボード？』

『はぁ、違いますよ…先輩が歌って俺がギターです』

『え？私が歌うの？』

この人、自分がどれだけ類い稀な才能を持っていると言う事に無頓着なんだ？

『当たり前じゃないですか。先輩の歌、久々に聴けるので楽しみです』

『そんないいものじゃないよ、、』

『よくいいますよ！』

先輩がなんだか腑に落ちないと言った様子で俺の事をジロジロと見てくる
ここまできたらもう俺はやる気満々だ。あとは、先輩だけなのに、、

『いいですか？百万ですよ！百万。もし、優勝してから先輩がまだお金に困ってたら全額譲りますし、困ってなかったとしても二人で五十万山分けですよ？』

『優勝する前提なんだ、、』

『…いけるんじゃないですか？』

『でも確かに百万円っていうのは魅力的。この上なくね、、』

『でしょ？』

先輩は散々迷った挙句、軽く俺の手を取りわかった、出るからには優勝ね、と言った

舞台も役者も揃った。後は、優勝するのみだ

『ちなみにさ、何歌うとか決めてない訳？』

『そんなの決めてる訳ないじゃないですか。出ることさえ今決めたんですから』

『いい加減ね。まあ、私はなんでもいいけど』

『じゃあ俺、好きなアーティストがいるんですけどいいですか？』

『誰？』

『二人組で…』

『大体わかった。ハードロックやってるでしょ？』

『それにもちょっと意見がありましてね、、そのアーティスト。最初はハードロックなんてやってなかったんですよ』

『そうなの？なんか意外。ほら、ウルトラなんちゃらとかそう言うイメージだからさ』

『初期はハードロックじゃなくて、こう…なんて言うんですか？もっとデジダルっぽくてポップな曲が多かったんですよ。ゴリゴリ系じゃなくて…』

『へぇ…矢花がそんなに好きとはね…』

『ボーカルも今よりV系よりだから、ある種アイドルみたいだったみたいですけどね』

先輩が俺の愛になんだか少しゲンナリして引き気味だ
でも仕方がない、俺に好きな事を話させたら止まらない