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早くしないと、、頭では分かっているけどどうしても緊張してしまってファスナーを上げる手がぷるぷると震えている
あと十分、、
だめだ、こんなことやってる場合じゃない
私は急いで楽屋を出て、矢花と嶺亜の元に向かった
『似合ってますね、その色』
『ありがとう』
矢花はすかさずフォローを入れてくれたけど、嶺亜は一向に話し出す気配がない
…似合ってなかった？何で言えばいいんだろうって迷ってる？
『…いいんじゃない？』
仕方ない、これがいつもの嶺亜だ
こんな時だけすっごく可愛いよ！なんて言われたら逆に何か企んでいるのではないかと考えてしまう程だ
…だけど、どうしても寂しい
きっとそんな感情が顔に出ていたんだと思う。矢花が私と嶺亜の表情を窺ってはおどおどしている
『…それだけ？、、もっとこう、なんかあってもいいじゃん』
『本当にAは我儘なんだから』
嶺亜がふうって息を吐いてこっちに真剣な眼差しを向けてきた…と、思ったらそれはすぐに笑顔に変わる
嶺亜がこんな風に混じり気なく笑うなんてすごくレアで私まで嬉しくなる
『…似合ってるよ、…世界で一番可愛い』
『えっ？』
『れ、嶺亜君、、、？』
私も矢花も開いた方が塞がらない
あの、意地悪クソ悪魔の嶺亜が私にこんな優しい顔をして、、しかも、可愛い？何かの間違い？
『どんな女がドレス着てもきっとAには勝てないよ』
嶺亜の意外と男らしい掌が私の頭に乗っかる
…なんだろう、目頭が熱い。私、泣いてる？
矢花の気まずそうな表情を見る限り私はよっぽど酷い顔をしているのだろう
今回ばかりは矢花だけではなく嶺亜も焦ったような表情をしている
『先輩、これから本番なのにそんなに泣いたらまずいっすよ』
『あぁ、俺のせいだよね…ごめん。どうしたら泣き止む？』
別に泣きたいわけじゃないのに、涙は勝手に流れ落ちて止まる事を知らないようだ
『やっぱり私、嶺亜の事好きだよ…私じゃダメなの？』
止まれ、、止まれ！
こんな事言いたいはずじゃないのに涙と嶺亜への告白は止まらない
矢花がいたってそんなのお構いなしだ
『…先輩』
矢花もそんな憐れむような目で私を見ないで
きっと、嶺亜に交際を乞う哀れな奴だと思われてるんだろうな、、
『…ごめん、…ごめんね』
分かっていたけれど、嶺亜はただ謝るだけだ
私が見る限り嶺亜が誰かを想っている事は無さそうなんだけど…
それでも私はダメなんですか？
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マリエ(プロフ) - ハルカさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！これからもよろしくお願い致します！ (2022年4月9日 16時) (
レス) id: c6cf29b1a9 (このIDを非表示/違反報告)
ハルカ(プロフ) - 良すぎて一気読みしてしまいました……お忙しいかとは思いますが続き楽しみにしております！ (2022年4月9日 2時) (レス) id: 17cc79c11f (このIDを非表示/違反報告)
マリエ(プロフ) - 松さん» そのように言ってくださって本当に嬉しいです！完結まで是非宜しくお願い致します。 (2022年3月29日 19時) (レス) @page35 id: c6cf29b1a9 (このIDを非表示/違反報告)
松(プロフ) - はじめまして！めちゃくちゃ面白くて更新楽しみにしてます！頑張ってください！ (2022年3月28日 23時) (レス) @page35 id: 309f0f86b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：マリエ | 作者ホームページ：http://commu.nosv.org/p/taka231
作成日時：2022年2月23日 16時
