． ページ20
お守りを買いお賽銭を入れたものの、私達だけで完結してしまっては意味がない、特にお守りは本人の手に渡らないと意味がない。
小学生の時に【家に帰るまでが遠足】と言われていたのと同じことだ
かといって受験の結果待ちの矢花をわざわざ呼び出して渡すのも迷惑な話だ、
『はあ？買ったお守りを矢花君に渡したい？それも今から？』
一人で考えることに限界を感じた私は、しぶしぶ嶺亜に相談することにした
『お守りを持ってない後輩のために買ってあげて、お賽銭も入れて、その上それを受験後に渡してついでにねぎらいの言葉をかけてあげたいって？Aは矢花君の母親かなんかなの？、、、いや、今時過保護な母親でもそこまでしないよ、、、』
『そうね、まあ、私は矢花のお母さんみたいなものだし、、』
『向こうはそうは思ってないかもね、、、ていうか、全然矢花君来なくない？』
嶺亜の言う通り矢花の姿は一向に現れない
このままじゃ付き合ってもらった嶺亜にも申し訳が立たない
『男の子、少ないんだからすぐわかるはずだったのになー。まさか、帰っちゃったとか？』
『A、矢花君が帰っちゃうからーってこんなに早く来たのに、もう帰っちゃったはないでしょ？』
もう体力が限界で地面にへなへなと座り込んだ時見覚えのある線の細い体が見えた。
間違いない、、、あれは、、、矢花だ
『、、いた』
『え、何いたの？渡してきなよ』
嶺亜に少し強めに背中を押されて矢花の真ん前に出てしまった
矢花から『先輩、、？』という困惑の声が漏れる
こいつなんだよみたいな顔しないでよ、、、わ、渡しづらい、、
とにかく渡していかないと買った意味がないな、、押し付けて帰るか
『これ、いらなかったら捨てていいから。はい』
捨てていいからなんて我ながら思ってもないことを言ったもんだ
矢花は捨てるような人じゃないってわかっているけど、、もし捨てられたら８年は根に持つな、、こりゃ
『…お守り、ですか？』
『見ればわかるでしょ』
『もしかして、俺が持ってないから買ってくれたんですか？』
『そう。…こっちは嶺亜が買ったの』
…やっぱ過保護な母親みたいだったかな、おかしかったかな…
だけど、私が思った通り矢花は本当にびっくりしたような顔をしながらもありがとうございますって笑った
…私の心配はあっけなく杞憂に終わったのだ
『…やっぱり矢花は矢花だね』
『なんか言いました？』
『なんでもない！』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 111人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
マリエ(プロフ) - ハルカさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！これからもよろしくお願い致します！ (2022年4月9日 16時) (
レス) id: c6cf29b1a9 (このIDを非表示/違反報告)
ハルカ(プロフ) - 良すぎて一気読みしてしまいました……お忙しいかとは思いますが続き楽しみにしております！ (2022年4月9日 2時) (レス) id: 17cc79c11f (このIDを非表示/違反報告)
マリエ(プロフ) - 松さん» そのように言ってくださって本当に嬉しいです！完結まで是非宜しくお願い致します。 (2022年3月29日 19時) (レス) @page35 id: c6cf29b1a9 (このIDを非表示/違反報告)
松(プロフ) - はじめまして！めちゃくちゃ面白くて更新楽しみにしてます！頑張ってください！ (2022年3月28日 23時) (レス) @page35 id: 309f0f86b1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：マリエ | 作者ホームページ：http://commu.nosv.org/p/taka231
作成日時：2022年2月23日 16時
