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ページ40

Aさんがポアロに来なくなった。


街でも、会わなくなった。


蘭さんやコナン君にもさり気なく聞いてみたが、連絡は取っていないらしい。


…おかしい。


彼女と出会ってから、会わない日がこんなに何週間も続いたことは無かった。


最初はただの偶然だと思っていた。
大学が忙しいのだと。


しかし、ここまで来ればさすがに俺も気づく。


今までよく街で会っていたのは、そこが彼女の生活圏内だったから。

会わないということは、引っ越したか、わざわざ違う場所で用事を済ませている可能性が高い。




…避けられているのだ。


彼女の周りの人間関係は良好だった…俺以外。


つまり、彼女が俺に会わないようにしているとしか考えられない。


最後に会ったのは鈴木財閥のパーティーだ。

俺は探偵として、クライアントの依頼を遂行していた。

あの時、彼女に黒の組織の一員かと聞かれ、俺は肯定した。

それが原因なのだろうか?

そんなことを考えながら、ここ2、3日もんもんとする日々が続いている。





カランカラン


俺以外に誰もいない店内に、扉のベルが来客を知らせる。



「こんにちは、安室さん」

「こんにちは、コナン君、蘭さん、園子さん」


常連の3人を席に案内して注文を取っていると、園子さんがニヤニヤしながら俺に言った。


「それで、あの後どうなったんですか?」

パーティーを抜け出した後の事を聞いていると分かった。


「それが…避けられているみたいで、最近会ってないんですよね」

この子達なら彼女の情報を持っているかと思い正直に白状したが、3人とも不思議そうな顔をした。

「うーん、なんでだろ?」

「Aさんの事だから、大学が忙しいんじゃないですか?」

「そうなのかな…」

頭をひねる俺たちを見かねたのか、コナン君が明るく提案した。

「…そんなに気になるなら、逢いに行く?」









「…この部屋か」

「僕A姉ちゃんの家知ってるよ!」と言ったコナン君に案内して来てみると、Aさんの家はマンションだった。

ピンポン、ピンポン、と何度押しても誰も出てこないし、部屋に誰かいる気配もない。

「…いないみたいだね」

携帯でメッセージ送ってるの?とコナンくんに聞かれ俺は首を縦に振る。

「送ってはいるけど…既読がつかないんだ」

「そうなの?僕には返ってくるよ」

ほら、と見せられた画面には、Aさんとの昨日のトーク履歴が。

こんなに露骨だとさすがに少し落ち込む。

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設定タグ:名探偵コナン , 安室透 , 降谷零   
作品ジャンル:アニメ
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椿 - えだまめさん» コメントありがとうございます!!多分どんどんグダグダになっちゃうと思うのですが、変わらず応援してくれたら幸いです! (2020年1月29日 12時) (レス) id: 55324010a1 (このIDを非表示/違反報告)
えだまめ - おもっしろい!夢主ちゃんと安室さんのすれ違いが凄くてもどかしい。でもそのムズムズ感も楽しいです!ストーリーもしっかりしてるけど、サクサク読める速さの流れなので毎回毎回が気になります。更新頑張ってください!応援しています! (2020年1月28日 17時) (レス) id: e05e54b6fe (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:椿 | 作成日時:2020年1月16日 19時

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