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イライラする。
バーボンとしても降谷零としても任務が果たされ、緊張感から解放されて、俺はようやく他のことを考える余裕が出来た。
楽しそうに歩いていった2人の姿が脳裏にこびりついて離れない。
ただでさえ沖矢昴はいけ好かないやつなのに。
…まさか、2人は恋人だったりして。
片付けなければならない書類の山はまだ机に鎮座しているというのに、気が散ってなかなか進まない。
窓から外を見ると、もう空は暗くなり始めている。
…2人は、今頃お洒落なディナーでも食べているんだろうか。
幸せそうに笑いあって、それで＿＿＿
俺は思考を遮るように頭を振った。
「降谷さん」
「…どうした、風見」
「俺の仕事はもう終わったので、降谷さんの分半分請け負いますよ」
「お前も疲れてるだろ、家に帰ってしっかり睡眠を取ってこい」
「…降谷さん、」
風見が言い淀んだところで、俺ははたと気づいた。
これはただの気遣いじゃない。
部下たちが様子のおかしい俺に気づいて家に返そうとしてくれてるのだ。
書類も、風見だけでなく他の部下と分担して片付けようとしているに違いない。
「…わかった、頼む」
上司として不甲斐ないと思いつつ、部下たちの優しさを無下にできなかった。
これは是が非でも早急に終わらせて帰るとしよう。
俺は気合いを入れ直してパソコンに向き合った。
＊
「…どうでした？」
降谷さんから見えない位置に、部下たちが集まっていた。
俺は勝利だ、というように頷いて見せた。
「おー！よかった！！」
安堵の声が上がる。
「悪いな、仕事を増やしてしまって」
「いえ、降谷さんもう4徹目だし、俺昨日休みだったんで」
「俺も、自分の仕事は余裕できたんで大丈夫です」
「よろしく頼む」
俺は部下たちに仕事を配分した。
「…降谷さん、あんま俺達のこと頼らないっスもんね」
部下の1人がぽろりと零す。
降谷さん、もっと俺達のこと頼ってくださいよ。
それは風見含め、部下全員が思っている事だった。
降谷さんに頼られると、嬉しい。
なぜなら…俺達は降谷さんのことを尊敬しているからだ。
きっと、半分仕事を渡してくれても厄介な仕事はきっとまだ彼の机に残しているのだろうけれど。
「よし、解散」
各々自分のデスクに戻っていく部下たちを見て、誇らしくなった。
降谷さん、あなたの部下はこんなにもたくましい。
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椿 - えだまめさん» コメントありがとうございます！！多分どんどんグダグダになっちゃうと思うのですが、変わらず応援してくれたら幸いです！ (2020年1月29日 12時) (
レス) id: 55324010a1 (このIDを非表示/違反報告)
えだまめ - おもっしろい！夢主ちゃんと安室さんのすれ違いが凄くてもどかしい。でもそのムズムズ感も楽しいです！ストーリーもしっかりしてるけど、サクサク読める速さの流れなので毎回毎回が気になります。更新頑張ってください！応援しています！ (2020年1月28日 17時) (レス) id: e05e54b6fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：椿 | 作成日時：2020年1月16日 19時
