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「Aさん、お店閉めるので、ちょっと待っててくれませんか」
俺は彼女にそう言うと、急いで閉店の準備に取り掛かった。
コナン君達は先程帰り、今はAさんと2人だ。
Aさんを送っていこう。外も暗いし、この前のストーカーはまだ捕まっていない。
見ると、Aさんはポアロの外で携帯を触っていた。…少し不用心な気もする。
後ろの休憩室に入ると、俺の携帯が光っているのが見えた。
「…俺だ」
「降谷さん、お疲れ様です。実は、違法麻薬取引グループの件で…」
相手は風見だった。口頭で指示すれば済む内容だったので、手短に終わらせて電話を切る。
そして店を閉め、Aさんの元に向かったのだった。
＊
鍵とチェーンロックをしっかり閉めて部屋に上がると、私はすぐに赤井さんに連絡をとった。
「例のバーで」とだけ送ると、すぐに「明日の21:00」という端的な返事が返ってくる。
私はそれを確認してベッドへ倒れ込んだ。
『…俺？』
安室さんがポアロで閉店準備をしている時、私は忘れ物をした気がして店内へ1度戻っていた。
「…俺だ…それは厄介なことになったな…その件は増員する必要がありそうだ…」
一人称が僕ではなくて俺。
それから、いつものような柔らかい敬語ではなく、鋭い口調だったのも気になった。
彼はもう一つの顔を隠しているのでは…？
今私が見ている彼が完璧な偽りだとしたら。
もしかしたら名前だって偽名かもしれない。
その時携帯が震えて、私にメッセージが来たことを伝える。
安室無事帰り着きましたか?
心配性なのだろうか、家の前まで送って貰ったというのに。
でも、このメッセージも、私にかけてくれた優しい言葉も、全部全部偽りなのだ。
そう考えると悲しくなった。
…どうしてあんな男の言動1つで一喜一憂させられなければいけないんだ。
あの男は、黒の組織の一員で、散々汚いことをやってるくせにのうのうとポアロで働いてるし、ハニートラップなんてのをやって、軽々しく女性を口説くんだ。
悪いやつだ。
…悪いやつなんだ。
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椿 - えだまめさん» コメントありがとうございます！！多分どんどんグダグダになっちゃうと思うのですが、変わらず応援してくれたら幸いです！ (2020年1月29日 12時) (
レス) id: 55324010a1 (このIDを非表示/違反報告)
えだまめ - おもっしろい！夢主ちゃんと安室さんのすれ違いが凄くてもどかしい。でもそのムズムズ感も楽しいです！ストーリーもしっかりしてるけど、サクサク読める速さの流れなので毎回毎回が気になります。更新頑張ってください！応援しています！ (2020年1月28日 17時) (レス) id: e05e54b6fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：椿 | 作成日時：2020年1月16日 19時
