落ち着いて ページ4
しばらくすると、大分落ち着いてきたのか、Aちゃんの涙は止まっていた
「少しは落ち着いた?」
彼女は、声に出す代わりにゆっくりと首を縦に振った
「・・・・・・・・」
「・・・・・・・・あの、ね」
しばらくの沈黙のあとAちゃんは少しづつ喋りだした
「私、昔はお母さんとお父さんと3人で暮らしてたんだけど・・・・」
なんともいえない表情で話すAちゃんの言葉を静かに聞く
「さっきの人…お父さんは、昔から私のことを見てくれなかった。お母さんしか見てなかったの、あの人は」
「でも、病気になってからもその前からも、お母さんは優しかった。いつもそばにいてくれたの。・・・・・最初のうちは」
「ある時ね…いつもみたいに看病してもらってた時に気付いちゃったの・・・・・・お母さんの手、こんなに荒れてたっけ?って」
彼女の目からは光が失われており、全てを諦めたような表情だった
「すごい焦った。だって人が他人に優しくできるのは…自分に余裕があるときだけだから。このままじゃお母さんからも愛されなくなる、って」
「・・・・・・・・・」
何も言えなかった
同じ年でこんなことを考えながら生きてきた人に今まで会ったことがない…
「だから…ずっとおとなしく寝てることにした。手のかからない子供でいないとお母さんに迷惑だから…」
「でもね、ある時お父さんが仕事でうまくいかなくなってからお母さんも働きにいくようになった。うちはそんな裕福じゃなかったし、私の薬代とかもあったから」
「それで結局、『仕事で忙しくてお世話してあげられないから』って理由でヒロ兄のところに預けられた、ってわけ。・・・・・・連絡は全然してくれなかった」
張り付けたような笑みを浮かべてAちゃんはこっちを見る
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nano餅@星降南倉(なくら)(プロフ) - 剣城礼菜さん» マジですかありがとうございますテンションやばやばのやばやばです\(^O^)/ 頑張ります!! (2013年11月19日 17時) (携帯から) (レス) id: 7076e1c8a4 (このIDを非表示/違反報告)
剣城礼菜(プロフ) - とても面白かったです! 更新楽しみにしてます!頑張って下さい(^_^) (2013年11月19日 14時) (レス) id: 4d887565fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:nano餅@少しづつ復活かも | 作成日時:2013年11月13日 18時