月とオレンジ 14

422 F 締め付けられる胸 ページ42

藤ヶ谷said





エントランスを抜けると







A「あれ…みっくん」


視線の先に居たのは北山








A「あれ、どうしたの？連絡くれた？」





携帯を確認しながら北山に近づく





北山「いや、近くで仕事だったから。」




A「どうして？

連絡くれればよかったのに。」





北山「うん…」




…。




北山「よぅ。」



俺に気付いて声をかけてきた




「よぉ。」






北山「今、帰り？」







「うん。

じゃあ、俺はこれで…」







この場を離れようとすると








北山「藤ヶ谷…この前は悪かったな。

変なこと言って。」










『気を持たせるようなことするなよ』







「あ、いや…俺も…ごめん。」




…。






北山「…じゃあ。」






そう言うとAちゃんとふたり

駅へ向かって歩いていく







何やら楽しそうに笑いあいながら

遠ざかっていくふたり





その後ろ姿は幸せそうで






…。




…。







でも…なんでだろ



すごく切なくて、苦しくて





胸が締め付けられるんだ

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