194 F 好きなだけ ページ41
藤ヶ谷said
「どうして
乗らなかったの！？」
急いでホームに上がると
終電は丁度発車したところだった
改札で手間取って
Aちゃんだけでも
間に合わせなきゃって思って
先に行けって言ったのに
彼女とふたり
ただ呆然と走り去っていく終電を見送る
「なんで…
Aちゃんだけなら間に合ったのに。」
…。
…。
A「…乗れませんでした。
ふたりと一緒には。
美紀さんと一緒には…。」
ポツリと漏らすような小さな声
…。
A「美紀さん…
気づいてるかもしれません。
私たちが本当は付き合ってないこと。
指輪も…みっくんのだって。」
『俺たち付き合ってる』
さっき俺がふたりについた嘘
A「だから…みっくんの手…とれなかった。
言わなくてもいいって思ったって…
この距離を手放したくないって…
さっき先輩に言ったけど…
私…自分のことしか考えてなかった。
美紀さんの優しさに甘えっぱなしで…
彼女の気持ち、全然考えられてなかった」
絞り出すように言葉を並べていく
その横顔はただ苦しくて
「どうして…」
今、そんなことまで…
A「みっくんが手を伸ばしてくれたとき
目が合ったんです…美紀さんと。
すごく心配そうな顔してたから。」
…美紀ちゃん…
確かにちょっと無理があったかもしれない
俺がついた咄嗟の嘘
…。
A「私、気持ちは自由だと思ってたけど…
私がみっくんを想っているだけで
美紀さんを傷つけてる。
…不安にさせてる。」
辛そうな横顔に
抱き寄せたくなる気持ちをグッと抑えた
気持ちを伝えられなかったことを
必死によかったのだと
自分に言いきかせてた
なのに、想うことさえ……許されないなんて
そんな風に考えてしまう彼女に
俺は…何もしてあげられない
ただ、もどかしくて…
…。
A「なのに…なんで…」
声を詰まらせながら続ける
A「なんで私は…
こんなにみっくんが好きなんだろ…
誰のことも傷つけたくない。
…ただ好きなだけなのに」
うつむく瞳からこぼれた
小さな雫がコンクリートに灰色の染みをつくる
…なんで
なんでだよ…
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もも(プロフ) - maricaさん» コメントありがとうございます(*^^*)ぜひ7章にも遊びに来てくださいね(*^^*) (2019年7月9日 10時) (
レス) id: 0e833b3ebd (このIDを非表示/違反報告)
marica(プロフ) - 作者様の意地悪切なくて好きです！続きも楽しみにしてます。 (2019年7月9日 9時) (レス) id: e0ef7b26e4 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - 玲さん» いつもありがとうございます☆藤ヶ谷先輩、ついに始動です(*´ω｀*)切ないお話大好きです笑なんとなく先が見えているから楽しめるのでしょうね…リアルだったら心が折れます(T-T) (2019年7月6日 21時) (レス) id: 0e833b3ebd (このIDを非表示/違反報告)
玲(プロフ) - あーん藤ヶ谷先輩切ない(；∀；)好きです万歳！主ちゃんに藤ヶ谷先輩の想いが届くのはもう少し先になりそうですかね。そうなったらなったで再び咲良さんが現れそうな予感も。前作もですが、切なさを描くのが本当にお上手ですね^ ^ (2019年7月6日 20時) (レス) id: b7c4bcac2b (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - はるさん» いつもありがとうございます☆切ないお話が好きなので遠回りばかりしてしまうかもしれません(^^;気長にお付き合いください(^-^) (2019年7月4日 8時) (レス) id: 0e833b3ebd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もも
| 作成日時：2019年6月23日 21時
