月とオレンジ 5

135 千ちゃん ページ33

目が覚めて

時計を確認すると

夕方6時近く







ヤバイ……やってしまった








貴重な土曜日

寝て潰しちゃったよ……







仕事の資料も作らなきゃと思っていたのに








隣の部屋の気配はない






みっくん……まだ帰って来てないんだ






デートだって言ってたもんね






何もしないまま１日潰しちゃうのが

なんだか嫌で

サッと着替えて近くのスーパーへ







最近は忙しくて、平日は特に

適当にご飯作ってたから

休みの日ぐらいちゃんとしたご飯を……って

お店の中をグルグルしていると








「あれ！？こんにちは！」







キャベツを手に取ろうとしてると

背後から声をかけられた






振り向くと長身で金髪の男性が立っていた







「あ……えっと

ラーメン屋さんの！」







千「千ちゃんです♪

よかった。分かってくれて(笑)」






そう。お店のユニフォームは着てないけど

パンツにTシャツのラフなスタイル

堀が深いハーフ顔






キラッキラのアイドルスマイル







「お買い物？」








千「はい！

今日、学校だったんでバイトは

入ってなかったんですけど

ちょっと立ち寄ったら

お使い頼まれちゃって。」







あ、専門学生とかって言ってたっけ






「そうなんだ。お疲れ様。」






千「えっと……Aさんは……」







名前……覚えてくれてたんだ







「あ、私も買い物//

休みぐらいちゃんと作ろうかなって//」








千「ちゃんとご飯作るんだ！

いいなー♪自炊できる子♪」







うん……ん？






「自炊……しないの？」





……彼女さん






話の流れ的にって








千「んー。



あんまり得意じゃないみたいで。


実家暮らしなのもあるんですけど……。」







「そうなんだ……」






実家暮らし……相手も学生さんなのかな







千「あ、すみません//余計なこと//」






少し照れたように笑う








千「あ、そういえば！

北山さんも料理よくしますよね！」






みっくん







「うん//好きみたい//」






千「いいですよね♪料理上手な彼氏さん♪」






……彼氏さん



……彼氏さん？







「いやいや

みっくんは本当に彼氏とかじゃないから//」






前にも言ってた







千「え、本当に？




照れ隠しだと思ってた(笑)

ミツさん、すごい否定するから、逆に(笑)」






すごい否定するんだ






「うん//本当に……。」

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