3 手放せない距離 ページ4
そう思うと
自分の立ち位置なんか関係なくて
好きな人の傍にいられることの喜びを
噛み締める
部屋の中の片付けが一段落した頃
外はもう暗くなっていた
みつ「あー腹減ったー。もう７時じゃん。
この辺でそろそろ飯行かねー？」
１日中、引っ越しを手伝ってくれていた
みっくん
床に寝転がると大きく伸びをして言った
確かになんか私も
グ、グー…
……//
みつ「すげー音(笑)
やっぱり飯行こうぜー♪」
そう言う彼に連れ出されて
どこか簡単に食事ができそうな店を探す
みつ「あ、ここ。ここ。」
みっくんに連れて来られたのは
家から程近いラーメン屋
みつ「ん♪うんまー♪」
ズルズルと麺を頬張り、上機嫌
……ラーメン……か
女の子と食事するのにラーメン……
女の子……とは、思われてないよね
って、もう落胆することにも慣れてるし
そう思いながら
みっくんの隣でラーメンをすする
みつ「ここのラーメン屋
Aがこっちに来たら
絶対連れて来ようと思ってたんだよねー。」
なんで？って……みっくんを見ると
みつ「このラーメン食べたときに
すげー懐かしくてさ。
まだ俺らが子供だった頃
よく親に連れられて行ってたラーメン屋
覚えてる？
そこの味にすげー似てない？」
子供の頃、よく連れて行かれてたラーメン屋
……。
……。
みつ「覚えてないかー。
お前、まだチビだったもんな(笑)」
って、笑うみっくん
「あ、思い出した！！」
実家の近くの商店街にあった小さなラーメン屋
お互いに片親だった私たちの母親が
たまーに私とみっくんを
連れて行ってくれていた
中学生になった頃には
何かあるとみっくんがおごってやるとかって
連れていってくれたんだっけ
そういえばあのラーメン屋……
みつ「あそこ、潰れちゃったじゃん？
だから感動しちゃった！
ここのラーメン見つけたとき♪」
そっか……だから、ラーメンだったんだ
そう話をされて、私の気持ちは浮き足立つ
私とみっくんの中にある、ふたりだけの思い出
ふたりにしか分からない味
かわいい妹……いつだってそれが私の立ち位置
それがもどかしくもあり、幸せな瞬間
だから、いつまでも……
私はこの距離を手放せないんだ
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もも(プロフ) - ミィさん» コメントありがとうございます☆そう言って頂けてとても嬉しいです(^^)私自身が切ないのが好きで…現実にはきついですが、物語なので(￣∇￣*)ゞこれからも気長にお付き合いください(*^^*) (2019年5月6日 21時) (
レス) id: 0e833b3ebd (このIDを非表示/違反報告)
ミィ(プロフ) - 新作、嬉しいです。ももさんの作品は切ないものが多いですが、とても大好きです。今回は最初からもう、切なくて・・・今後も楽しみにしていますね。 (2019年5月6日 17時) (レス) id: 1dbee522b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もも
| 作成日時：2019年5月5日 0時
