191話 ページ4
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私が押し入れに入ってすぐに押し入れの前に人の気配を感じた。
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きっとのんやろう。
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“開けないで”、“もうすぐおらんなるからこれ以上いじめんといて”、“傷つきたくない”。
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たくさんの言葉が私の頭に浮かぶ。
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また傷付くのは嫌や。
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私は幸せになったらアカンの?
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私は幸せになれへんの?
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暗い押し入れは私の心をさらにネガティブな気持ちにさせる。
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なんで私は…っ。
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小 「A…ごめん。
怖がらせるつもりはなかってん」
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貴 「!?」
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襖の向こうからのんの声が聞こえる。
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その声は悲しみと苦しみが入り混じった声。
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小 「そっからでええ、俺の話を聞いて欲しいねん。」
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話?今更話なんて聞きたくないのに…。
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貴 「わ…かりました」
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私はそれを受け入れてしまう。
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なんで受け入れたのか自分でも分からへん。
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小 「…ありがとう」
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のんのそんな言葉が聞こえたと同時に、気配が近くなった。
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多分のんが襖にもたれ掛かったんやろう。
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これじゃあ逃げるに逃げられへんやん…。
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小 「…ごめんな、A」
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作者名:凪優月 | 作成日時:2016年6月4日 16時