初彼（続編） 9 (ページ12)

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412「揺るがない想い」ページ12

(玉森)「A…」

切なげな声で私の名前を呼び、ゆっくり…口付けてくる玉森さん。

(玉森)「たくさん泣かせて、つらい思いばっかさせてごめんね。」

瞳を閉じて、玉森さんの優しい手に包まれて唇を重ね合わせれば
玉森さんのこと…
藤ヶ谷さんのこと…
ひまりさんのこと…
様々な想いが重なり合って溢れ出す。

みゃくみゃくと…

私の心の中から…
溢れ出しては止まらなくなっていった…。

…………

でも、私の中で、これだけは揺るがない想いが、たった一つだけある事に改めて気付かされる…。

それは…

…………

どうしようもないぐらい今目の前にいる玉森さんが大好きって想い。

…〝今日は早く帰るよ〟のラブmail

…〝おかえりー〟の言葉

…いい天気に揺れる2人の靴下

…夕食は何にしようかなって考えてる自分

…おそろいのマグカップ

…並ぶおそろいの歯ブラシ

…手帳に書く、特別な記念日の赤いハートマーク

………玉森さんのことが恋しくて、これ以上どうしようもなく大好き。

今日はどんな事があるかな、明日は何をしよう…そうやって考える自分。

毎日予測できないジェットコースターみたいな恋。

うかれたり、落ち込んだり、あなたに振り回されながら恋してる自分。

玉森さんの声が聞こえる場所が、あたたかい、安らぎがある私にとっての居場所。

………………………………

………………………………

一度唇を離し、見つめ合うと…玉森さんは、私のことを思いっきり抱きしめてくれた。

その胸の中で玉森さんへの想いが高まりをみせた時、私は最低でズルイ人間を今日でやめたいって、強く強く思った。

ずっと、あなただけの私でいたい！って。

大好きな玉森さんに真っ直ぐでいたいって。

…隠し事も無く、真っ直ぐに毎日向き合える毎日にしたいって。

自分になりたいって…。

…そう心がつき動かされた時、私は、藤ヶ谷さんへきちんと自分の気持ちを伝えようって、逃げては心の扉を閉めてばかりいた気持ちが一気に前を向いた。