どんな顔 ページ48
スカートは青春のお約束、膝上15cm。ゆるっとしたカーディガンに、少し緩めたタイ。カッチリとした佐原とは真反対の3人────────その真ん中の中島が、ギロりとアイラインを引いた目で佐原を睨みつけた。
「アンタさぁ、なんなん」
苛立ちに満ちた威圧的な声音。佐原は察した。これは圧倒的敵意だ、と。そしてその理由も大方把握している。
「アンタみたいな地味子、侑くんが庇うなんてありへんわ」
「ていうか、アンタ治くんにも手出しとるやろ。ウチずっと見とったもん。なんなん？治くんたち可哀想や、辞めてや」
「佐原、侑くんたちのこと好きやろ。侑くんたちはアンタなんか目もくれてへん。地味で可哀想やから優しくしたってるだけや。勘違いすんなや」
────────なに、言ってるんだろう。
さっきから浴びせられているコレはなんなんだろう。佐原は怒りより先に困惑に陥った。予想は半分的中。佐原は分かっていた。学校人気の強い宮兄弟と一緒にいれば、そのファンの面々からどのような視線を浴びるか。
分かっていた。敵意に気づいていた。
でも、二人から距離を置くことをしなかった。
だって、楽しすぎたから、二人と居るのが。二人といると世界が変わった気がした。前よりも周りが明るく、輝いて見えて。
侑くんは、私の悪いところを見つけて、正面からぶつかって、克服するチャンスをくれて、裏表なく接してくれた。
治くんは、私の良いところを見つけて、色々な場面で助けてくれて、安心させてくれた。
手を出してる、そんな風に見られてるのは分かってたけど、悔しい。
地味で可哀想だから優しくしてくれてる────────それは、違うでしょ？
不意に思い出す、二人の顔。前までは知らなかったけど、同じ顔なのに、全然違う表情するの。
侑くんはちょっと自信ありげに、意地悪に笑う。治くんは、目を細めて柔らかく笑う。
(あれが憐れみなんて、絶対違う)
怒鳴りたい、叫びたい、殴ってやりたい。そんな暴力的な考えが頭に浮かんでしまうのをなんとか抑え込んで、息を吐き出した。
「…仮に、もし仮に、私が宮くんたちの事が好きだとする。でも、二人とも私の事なんて友達としか思ってないよ。だからなにも心配すること無いと思うんだけど」
「は…？」
感情を押し殺して言えば、中島たちは大きな目を丸くして、困惑気味に、呟いた。
「あ、アンタ…、宮くんたちが、アンタの前でどんな顔してるか、知らないの…？」
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あろま(プロフ) - きのこりさん» 分かりずらくてすみませんでした。ありがとうございます！これからも頑張ります！ (2020年4月17日 11時) (
レス) id: 0b00b944d7 (このIDを非表示/違反報告)
あろま(プロフ) - きのこりさん» ご指摘ありがとうございます！ここなのですが、夢主が侑が何故自分を誘うのか分からず、「普通なら治くんを誘うのでは？もしかして治くんが映画が嫌いなのかな？」と思って「治くん映画嫌いなの？(だから治くんじゃくて私を誘うの？)」という意味合いで聞いています！ (2020年4月17日 11時) (レス) id: 0b00b944d7 (このIDを非表示/違反報告)
きのこり - ページ36の虫除けで、夢主が「治くん映画〜」てあったんですが、侑くんの話なので、侑くんじゃないでしょうか……。最近この話を知りました。とても楽しく読ませていただいてます。これからも頑張ってください。 (2020年4月16日 22時) (レス) id: b4f9762f22 (このIDを非表示/違反報告)
あろま(プロフ) - アオさん» やー！本当に申し訳ないです！！確認して直しました！指摘ありがとうございます！ (2020年3月14日 22時) (レス) id: 0b00b944d7 (このIDを非表示/違反報告)
アオ(プロフ) - あの、以前私が治くん視点なのを侑くん視点と勘違いした話なのですが、夢主の呼び方が「佐原」だったので勘違いしたので、直した方がいいと思います。今更ですみません。 (2020年3月14日 22時) (レス) id: eee0ca23b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あろま
| 作成日時：2020年2月19日 23時
