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悲しみというものはいつまで続くのだろうか。何時になったら消えて安らぎとなってくれるのだろう。
誰か代わりになる人を見つければ良いのか。否、代わりになんてなる筈がない。唯一無二の存在の代わりを探すことなんて、出来ない。
(熱い、熱い、杏寿郎さん)
眠る私の周りを取り込むように炎が包む。深く眠っている私を逃げ出すことが出来ない。
身を焼き付くさんばかりの炎が、見えない闇の底から湧き上がる。ゆらゆらと闇の中で鮮明に荒れ狂う炎の様子を、私は"自分を見下ろすように"見つめていた。
まるであの人の炎だ。いつも私に言っていた。心を燃やすんだ、と。
(怒っているのね、杏寿郎さん。こんなに心の弱い私を。
ごめんなさい、私は心を燃やすことは出来ない)
ごめんなさい、ごめんなさいと呟くのに、何も聞こえることは無い。
「ごめんなさ、ごめ」
「Aさんッ！」
凛とした声に意識が闇の中から引き出された。はっ、はーっ。と荒い呼吸をする私を、千寿郎くんが覗き込んだ。
「Aさん…、大丈夫ですか？」
魘されていましたが、と千寿郎くんが手ぬぐいで汗を拭ってくれる。柔らかな布巾の感触に、徐々に心臓の鼓動が落ち着いたものになっていくのが分かった。
「千寿郎くん…、どうしてここに？」
「…Aさんのお母様から連絡がありました。突然眠りについて魘されている、と」
その言葉にあぁ、と私は思い出した。最後の記憶は覚えがある限り夕方の4時頃だ。夜の闇を見るに、今は夜の11時頃だろうか。
「ごめんなさい…、千寿郎くん。私のこと看ていてくれたのね。お礼は後でするわ。とりあえずもうお帰りなさい」
煉獄家の男児と言えども彼はまだ子供。こんな夜遅くまで出掛けてはいけないし、起きていてもいけないだろう。
す、と肩を押すと千寿郎くんは私の手首を掴んだ。その力が思いの外強くて驚いてしまう。
「いいんです、俺は…。貴女の傍にいさせてください。それが俺にとっては幸せなのです」
いつもは優しげな色を浮かべる、少し弱気な瞳が今は確固たる意志を持った強い瞳になっていた。
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あろま(プロフ) - 謎の桃さん» コメントありがとうございます！好きと言って頂けて嬉しいです！続編の方も是非ごらんください！ (2020年1月5日 17時) (
レス) id: 3a55b14ac0 (このIDを非表示/違反報告)
謎の桃 - ぐっ…好きです…（死 (2020年1月3日 11時) (レス) id: 54222cb971 (このIDを非表示/違反報告)
美桜 - あろまさん» 分かりました。大丈夫です。 (2019年11月1日 9時) (レス) id: 87339a530e (このIDを非表示/違反報告)
あろま(プロフ) - 零奈さん» リクエストありがとうございます！実弥ですね！実弥らしいお話ですね…！精一杯書きます！ (2019年10月31日 22時) (レス) id: 3a55b14ac0 (このIDを非表示/違反報告)
あろま(プロフ) - 美桜さん» リクエストありがとうございます！煉獄さんのリクエスト嬉しいです！ですがすみません、夢主が柱という設定を普通の一般隊士にしたいです。ご了承ください…！ (2019年10月31日 22時) (レス) id: 3a55b14ac0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あろま
| 作成日時：2019年9月25日 17時
