環と私のヒーロー ページ22
怒号がしたと思えば、足を踏み出した環は男の顔を思いっきり殴った
鈍い音がし、男が倒れる
すぐに私を腕の中に収めると、環は鼻血を出した男を見下ろし────
「二度と目の前に現れるな」
そう低く言い放つと、男二人は怯えながら走っていった
しんと辺りが静まり返り────がくん、と膝から崩れ落ちそうになる私を環は両手で支えて
「…っ、A…っ」
そのままきつく私を抱き締めた
強い抱擁に、胸が詰まる────だけど、それ以上に、環への想いが弾けて
「たまき…っ、怖かった、怖かった…っ」
しがみつくように抱き締めて、体温を、匂いを必死に手繰り寄せて────嗚呼、環なんだって、環が助けてくれたって、酷く安堵したんだ
「Aがっ、襲われてるのを見て、
生きてる心地が、しなかった…！！」
震え混じりの悲痛な声音に、環がどれだけ必死だったかが痛いくらい伝わって、胸を締め付けて
「ごめん…、っ心配かけて、ごめんなさい」
涙で濡れた顔を上げて環を見上げた
「助けてくれて、ありがとう、たまき…っ！！」
私の、ヒーロー
そう続けると、環は泣きそうに顔を歪めてから、私を横抱きにして歩き出した
「…帰ろう、俺たちの家に」
逃がさないように、逃げないように、環に寄り添いながら、私は「うん、うん」と何度も頷いた────
何週間も家出したわけじゃないのに、久しぶりに感じた
すぐにあったかいお風呂に入ってと言ってくれて、ご飯の準備もしてくれた
あんなに酷いこと言ったのに、なんにも責めずに、怒らずに
食べてる途中、環の優しさに涙が零れて
「…まだ怖い？ごめん、怖い思いさせて」なんて言って頭を撫でる環に、ふるふると首を振った────
食器を運び、スポンジを手に取ると、環がその手を制した
「洗い物なんていいから
今日はゆっくり休んで」
明日色々話そう、と環は私を自室に促す
想いが詰まって何も言えないまま、自室に辿り着いて
ドアを開けようとする環に、思いっきり抱き着いた
「やだ、たまき…」
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こおら(プロフ) - 男ですが1日で全部読んじゃいました…笑 今更コメント残しても遅いかもしれないんですけどどうしても残したくて書いちゃいました。 男なのに珍しいかもですけどすごくドキドキしました…笑 (2021年8月29日 9時) (
レス) id: c29f706d65 (このIDを非表示/違反報告)
あろま(プロフ) - 棒つき飴さん» コメントありがとうございます！神だなんて恐れ多すぎます…！環くんへの愛で執筆しました（笑）読んで下さって嬉しいです！ (2020年1月25日 9時) (レス) id: 3a55b14ac0 (このIDを非表示/違反報告)
棒つき飴 - あなたが神か (2020年1月21日 21時) (レス) id: 75dcb5e175 (このIDを非表示/違反報告)
あろま(プロフ) - 天喰君推し少女なぎさん» コメント気づかなくてごめんなさい！コメントありがとうございます！ファットガムには申し訳ないです…。ファットガムって好きな人が誰かと被ってしまったら引く男だと思うんです…。 (2019年8月14日 11時) (レス) id: 3a55b14ac0 (このIDを非表示/違反報告)
天喰君推し少女なぎ - ファットガム…なんか…悲しいな… (2019年6月9日 0時) (レス) id: c855ae6157 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あろま
| 作成日時：2019年2月22日 20時
