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TY「…俺、ちゃんと考えた」
「…」
TY「頭も冷やした。……この前はあんな風に怒鳴ってごめん…」
「ううん、それは私こそ… 本当にごめんなさい」
TY「…Aの幸せって、なんなんだろうって」
「…え…?」
TY「…ずっと、考えてた。俺と一緒に居ることが本当に幸せなのかな、ただでさえ一緒に居てあげられないのに、…Aは女の子として、ほんとに幸せなのかなって」
テヨンの声は震えるけど、
私の肩を離そうとしない。
TY「…おれにとって、Aは」
TY「生まれて初めて、自分より大切だと思えたひとだった」
TY「……こんな俺にも、優しく笑いかけて、支えようとしてくれて、俺を分かろうとしてくれて、……自分より大事なんだよ。Aのことが、ずっと…」
TY「…うまく言えなくてごめん。だけど、俺にとってAは」
TY「……何があっても、守って、幸せにしたくて、奇跡みたいな存在なんだ」
…そんなこと、
私も同じように、想ってる。
止めどなく流れる涙。
テヨンの頬に触れると、
…暖かかった。
TY「…これからも、俺たち、一緒にいれば辛い思いを沢山すると思う。沢山の壁が、あるんだと思う。この前みたいなケンカも、どうしようもない理由でする言い合いも、あるんだと思う」
TY「だけど、」
TY「…おれの、我が儘だけど、聞いて」
TY「…Aを絶対に離したくないんだ」
TY「こんな俺でも、それでも、Aだけは絶対に幸せにしたいって、思うんだ」
TY「……俺の意地なんだ。俺に勇気と希望をくれ続けたAを、今度は俺が幸せにする番だって、何があってもAだけは笑顔にしたいって。…絶対に諦めたくないんだ、その思いだけは」
TY「寂しい思いさせるだろうけど、それでも寂しいってAが感じないように、沢山電話するし、一緒に居られる時間を作ってみせるから」
TY「…おれ、ほんとに頑張るから」
TY「だから…」
TY「俺と、一緒に生きてほしい」
…それが、俺の どうしようもないワガママ
なんだけど…
どう、かな……
…消えるような声で、そうぽつりと呟いたテヨン。
自信なさげにうつ向く姿が、見慣れたそれで
何かまだ言いたげに、口をもごもごさせるけど
結局は、唇を引き結んで… って
ああ、
いつも通りのテヨンだ。
そう思った瞬間、心の中に ぶわっと
暖かくて、優しい何かが広がっていく。
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ミル - 学生時代の話の続きがとても気になります!更新頑張ってください!応援してます! (2021年4月25日 10時) (レス) id: c8b41b322c (このIDを非表示/違反報告)
なおてぃん(プロフ) - はじめまして!このお話本当に大好きです!!これを読んでいたら2日連続でテヨンくんが夢に出て来てくれました…更新楽しみに待っています!!(^^) (2021年2月22日 0時) (レス) id: 600e5004d6 (このIDを非表示/違反報告)
Jun(プロフ) - はじめまして!全てのお話が最高すぎて感想をお伝えしないわけにはいきませんでした…ほんとに大好きです。これからも楽しみにしております! (2021年2月18日 21時) (レス) id: b71dc645fd (このIDを非表示/違反報告)
りの(プロフ) - ぴっぴ。さん» はじめまして〜〜コメントありがとうございます!!本当に期待です( ; ; )ハッピーバレンタインです〜( ; ; )( ; ; ) (2021年2月10日 12時) (レス) id: c38a85a6a7 (このIDを非表示/違反報告)
ぴっぴ。(プロフ) - おはようございます!はじめまして!CDTVの見ました!!!期待しちゃいますよね( ; ; )ハッピーバレンタイン!!!!!!! (2021年2月10日 10時) (レス) id: 1b43d45694 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りの | 作成日時:2021年2月6日 21時