勿忘草【完】 (ページ10)

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俺の目の前でキムチチゲを美味しそうに頬張る彼女は
とても自然で

まるで1年前に戻ったかのよう

「んー…やっぱりチゲは自分でやるよりジェジュンに任せる方が美味しいね」

「そう？
Aが作ったチゲも凄く美味しいけど」

「へへ、ありがとう
だけどジェジュンのチゲは世界一だから」

1年前と同じように笑い
同じように肩を並べて皿を洗った。

俺は夢を見ているのかな

もし夢なら
どこからが夢だったんだろう

「実はジェジュンに渡したいものがあるの」

「ん？なあに？」

「これ…」

そう言って差し出されたのは
青や紫、ピンクの小ぶりな可愛らしい花達が集められた花束だった。

「ありがとう、凄く可愛い花だね」

「うん、勿忘草っていうの」

「勿忘草？」

「そうだよ
…ジェジュンはすぐに忘れそうだね？」

「ジェジュンをバカにしたな？」

久しぶりの掛け合いが本当に楽しくて
心が満たされる

花を見つめる俺を
彼女が寂しそうに見つめてるとも知らずに