“ごめん”より“ありがとう”を (ページ4)

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淳太 side

「…ふふ、弱気やん。なんか心当たりでもあるん？」

月に1回の定期検診。

こうやって不安になることは毎度のこと。

もしかしたら悪くなってるかも。

もしかしたらまた入院かも。

いっぱい思うことはあるんやろうけど、

Aが1番不安に思ってるのは、俺らがおらんくなること。

元気な時は普通の子と変わらんけど、物心ついた頃から小学2年生まで、Aは両親から虐待を受けてきた。

その頃の記憶がはっきり残ってるみたいで、入院して離れ離れになると、もう会えへんのじゃないかってどうしようもない不安におそわれるみたい。

中学生の時なんて、俺ら探しに病院脱走したくらいやもんな？(笑)

「大丈夫。俺からみてても、特にしんどそうじゃないし、もし入院ってなっても、みんなAのこと待ってるからな？」

『…ん、わかってるんよ、わかってる…』

「心では分かってるもんな？(笑)」

『ん、…ごめんね、淳太くん、』

ごめんね、はAの口癖。

全然迷惑でもないし、みんなAのこと大好きやねんで？

やから、

「ごめんやなくて、ありがとうが聞きたいな？」

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