【d!】おいしくたべれる賞味期限。【zm】

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『もうねるの...？』

zm「もう寝るで」


抱っこされてベット中に連れ込まれながらそんな事を言う

わかってる、もう寝なきゃ悪いって

知ってる、知ってるんだけど、


『まだねたくない』

zm「どないしたんや」

『だって、まだ...』


ゾムと遊びたいもん。

その言葉は口からは出ずに喉に痞えてしまう

これを言ったら嫌われちゃう

お父さんだってこれを言ったら私のことを投げ飛ばしたんだもん

ゾムはそんな事しないって思うけど

でも、大人はみんな同じなんだ

もう痛いことをされるのは嫌だ

そう思って口をぎゅっと閉じる

ついでに眼も瞑る


zm「...？」

『やっぱりなんでもない！』


私の目に映るゾムは少し不思議そうな顔をして

そして、笑いながらゾムと同じお布団を私にかけてくれた

暖かい

ゾムの匂いがいっぱいする


zm「そんな匂い嗅いでどした？変な匂いする？」

『へんなにおいしないよ！ぞむのにおいいっぱいするからあんしんしたの』

zm「それであんなにすんすんしてたんか」


ギュッと私のことを抱きしめるゾムは暖かくて安心する

私がいつも一緒に寝てたのは、温度のないお人形さんだったから


zm「布団じゃなくて、俺で安心してくれや」

『ん？うん』


チラッと眼を開けてゾムの心の中を覗く

見えたゾムの心の中は真っ黒に見えた

真っ黒に見えたって言うのは言い過ぎかも

それでも、いろんな考えがごちゃごちゃになって余白がほとんどなかった

そして、そのほとんどが私に関することだと言うことはわかった

だってところどころに私の名前が見えるから

咄嗟に眼を瞑ったけど

あの一瞬がすごく長く見えたのはどうしてだったんだろう


zm「ちょっと眠なってきたんちゃう？」

『ちょっとだけ...』


ゾムが頭を撫でてくれて少しだけ眠たくなってくる

少しだけうとうとしてたらガチャって扉が開いた音がした

多分なんだけど、シャオロンさん

足音的にね


zm「んぉ？なんや、シャオロン」

syo「いや、あっち、みんな寝てしまってん」


少しおどおどとしたシャオロンさんの声を聞いて

ぴょこっと顔だけ出して眼を開く


syo(流石に小さい子の前で怖いとか言いきらんわ...)

『しゃおろんさん、こわがり？』

syo「は、はぁ、！？ちゃうし、！」

zm「ど、動揺しすぎやろ...」


笑いながらシャオロンさんにこっち来ぃやって声をかけるゾムは優しい顔をしてた

ゾム、お友達さん大好きなんだね！

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