【d!】おいしくたべれる賞味期限。【zm】

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ナイフについた血を適当に拭いてカバンにしまって

Aを抱き上げて山を下ってく

ここからしばらく歩かへんと行けへんな...

ちっこいとは言え、来る時よりも多少重いものを持っとるけどこれ、帰れるんか？


zm「帰りに友達んとこよるけど大丈夫やんな」

『だいじょーぶだよ』

zm「ん」


Aの家族がもっとったアクセサリー類をロボロに買い取ってもらうか、

んで、その金でぺ神のとこで手当類と、ひとらんのとこで野菜買って、

トントンのとこで肉買って...そんくらいか、


『んね、ぞむ』

zm「ん？どないしたん？」

『おかあさんたち、もういきしないの？』

zm「んー、せやなぁ、もう息せぇへんな」


俺の胸に顔を埋めたAを見て、

泣いとるんかと思った...が、

Aはパッとあげた


『...おかあさんたち、おいしかった？』

zm「あー...まぁ、それなりにってとこやな」


いっちゃんおいしいのは賞味期限過ぎてへん泣き喚いてくれるニンゲンやし。

彼奴らは賞味期限も切とりゃ、静かに泣くだけで泣き喚いてもくれへんやったし


『...にんげん、おいしいの？』

zm「...んー、どうなんやろ」


俺は金がないからニンゲン食っとるだけやから味とかあんま気にせぇへんしな

その中でおいしいって感じたのがさっき言うたような人間なだけやし

まぁ、流石にAにまでニンゲン食わすのは可哀想やから

肉買ったるか

...金かかるけどしゃーないよな。

俺みたいにさせたないし。


『ぞむのおともだちってどんなひと？』

zm「んー、俺よりマトモなヤツらやで」

『ぞむよりまとも...って、なぁに？』

zm「あー、Aに俺がどう見えとるかで変わるなぁ」

『ぞむはまともだよ？』

zm「俺がマトモに見えたら終わりやで」


訳が分からへんって顔しながら俺の顔を覗き込むAの頭を撫でてやると

くすぐったいのか身を捩りながら笑う

...かわええな。


zm「なぁ、なんで俺がマトモに見えるん？」

『だって、なによりもきたないにんげんを、たべてへらすぞむは、どうぶつさんたちをたべるにんげんよりまともだもん。』


帰ってきた返答に戸惑う

何よりも汚いニンゲンを食べて減らす俺は動物をたべるニンゲンよりマトモ...


zm「なぁ、ニンゲンが汚いって...」

『...にんげんは、きたないんだよ？』


にこりと笑ったAを見つめる


『ふはは、ぞむ、へんなかおしてるー！』


無垢な笑みの後ろ側に狂気が垣間見えた気がした

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