有名役者は氷の呼吸を使うらしい。【鬼滅の刃】壱

36話 目指すは蝶屋敷 ページ38

Aの隊服は、
冨岡の羽織と、着物で見えない。
刀は富岡がAのを合わせて
2本、腰にさしている。



Aがいつも着物を着ているのは、
彼女が役者だからであろう。



通り道で、
有名役者が隊服を着ていたら.......


大問題だ。





.......いや、逆に



なにか始まるのか、


とワクワクするだろうか。





.......実際、この2人も
Aが鬼殺隊であることに気づいていない。

鬼にやられた役者だとしか思っていないだろう。


だが、ちょうど良かったので、
そのまま連れて行って貰うことにした。








.......腕を離して欲しい。


とは言えなかった。








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｢あのう、どうかしたんですか？｣





とある甘味処から、

少し遅れてやってきたその子は、
灰色の瑪瑙のような、美しい瞳をしていた。


髪の色は.......






白銀。






｢ああ！ミヲちゃん！！大変だよ！

Aチャンが連れていかれちまった！！

なんか、大怪我をしててよう.......｣






｢え！？大変！！！




ハル！！！｣






｢おい！ミヲ！！走るな！！｣






慌てて兄のところに向かう妹。


この兄もまた、
女の子とそっくりな見た目をしていた。






｢ねぇ！お姉ちゃん、帰ってきたみたい！｣





妹は、花のような笑みを浮かべ、






｢！


.......ハハ、いつもギリギリなのにな。

うまい飯でも用意するか｣






兄は、爽やかな笑みを浮かべる。






｢ううん、多分お姉ちゃん、
今日は帰ってこないの。

怪我をしたみたい。｣


｢あぁ、蝶屋敷か。｣


｢多分そう。｣





この兄妹は
鬼殺隊のことを知っているらしく、
スムーズに話を進めていった。


Aが怪我をした、と聞いても
さほど驚く様子は見せなかった。







.......








｢じゃあ、仕事に戻ろう。



ミヲ、次は何がいいかな｣





｢うーん、


琴がいいかなぁ。
穏やかな空気がするの。｣




｢わかった。
じゃあ、速さは少し遅めにしよう。

60ぐらいでいいか？｣



｢うん！｣







.......







この2人は、








〜ハルキミオリ〜

春 君 織






甘味処の、看板兄妹だ。

今日も美しい音を響かせる。




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.......そんなこんなで

繁華街は、大混乱に陥った。

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