mng × すきなじかん ページ1
×警察先輩
「Aせんぱい!」
「はいはい何ですか猫マンゴーさん」
「おはよー!」
「はい、おはようございます」
にこりと笑う彼女に自然と口元が緩む。嬉しい、嬉しい。めめせんぱいに会えて嬉しい。揺れる尻尾を隠すこと無く近付く。
「今日は早いですねぇ」
「うん。Aせんぱいにあいたかったから」
「それはそれはありがとうございます」
「うれしい?」
そう聞けば彼女は不思議そうに首を傾げる。そして笑って口を開いた。
「ええ、勿論」
「っおれも!おれもあえてうれしい!」
「それはもっと嬉しいですね」
じわじわと上がる熱。銃撃戦の時とは違う高揚感にも似た何か。回る熱をどうしようか動けないでいる後ろから聞きなれた声が聞こえてくる。
「A先輩〜」
「はいはいこちらですよ青井さん」
「あ、そっちね」
やって来たのは自身が好んで絡んでいる青色。手に持っている書類を揺らしながらこちらへ近付いてきた。
「あれ?マンゴーもいる」
「らだおおはよ〜」
「おはよ〜。A先輩この書類のやり方聞いてもいいすか?」
「私で良ければっ、」
そう言って少し彼女が離れようとした瞬間、咄嗟に手が伸びていた。柔らかい香りが鼻を掠める。
「だめ」
「あの、えと?」
「いまおれのだから、らだお、ダメ」
「…あー…そゆこと」
邪魔してごめんねぇ、という間延びした声と彼女の困惑した声が腕の中から聞こえてきた。
「A先輩ごめんね。ごゆっくり〜」
「ごゆっくりって何、と言うかちょっと待って、青井さん?え、猫マンゴーさん?」
「ン?」
「あの、ええと?これは何事なんでしょうか」
「ンー…おれと、Aせんぱいのじゃまされたくなかったから」
「………え?」
ぱかりと開いた口と少しの間。意味を理解した彼女が変な声を上げるまであと数秒。俺は彼女の真似をしてにこりと笑った。
288人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:aka | 作成日時:2024年2月11日 20時