story65 能力の形(後半) ページ25
「僕の能力の形は寿命に全く影響しないよ。 今回はちょっと増え過ぎちゃったアリスに身体が驚いただけ。」
とはいえ、このまま正直に自分の能力の形を説明してしまえば、棗は僕にアリスを使わせまいとしてくるはず。具体的には僕に任務をさせない形で。そうなれば今僕と棗でうまく分け合っている負担が全て棗にのしかかってしまう。それだけは避けたかった。
なぜなら、僕の方こそ棗が
それに気づいたのは一年くらい前。深夜、隣の部屋からの大きな物音で目を覚ました時。その時は棗が単独任務に行っていたので、まだ何か物を落としてしまったのかなと軽く考えていた。しかし何となく気になって棗の部屋を覗きに行くと、棗が床に倒れ込んでいるではないか。
苦しそうに顔を歪めて右手で心臓のあたりを固く握りしめている様子に驚き、慌てて駆け寄ったのを覚えている。
治癒のアリスを使ってあげたら落ち着いたようだけど、その日からちょくちょく棗が苦しそうにしているのを見るようになった。
棗はなんでもないって誤魔化していたけれど、本当はもっと前から身体に悪影響が出ていたんだと思う。
棗の異変に気づいてから、彼の分まで任務をこなしたりしてなるべくアリスを使わせないようにしていたが、今度はそれが原因で僕が倒れてしまった。
ただでさえアリスの増幅にエネルギーを使うため身体の成長が遅いと言うのに、どんどん強くなるアリスが身体を痛めつけるから、さらに修復にエネルギーを割かれる。どれだけご飯を食べてもすぐにお腹が空くのはこのことも関係しているんだろう。
「……本当に違うんだな？」
「うん、僕はアリスの使いすぎで死んだりしないよ。」
欠点だけを隠して能力の形を説明したら、棗はしばらく考え込んでから理解したようだった。最後にもう一度寿命を縮める形でないことを確認してから、棗は目を伏せて息をついた。その表情から安堵が読み取れることから、納得してくれたことが分かった。
嘘をついて騙しているようで苦しかったけど、棗に無理させるよりはよっぽどマシだ。
棗は先ほどまでと打って変わって明るくなり、僕との会話の中で笑顔も増えていった。消灯するまでこのままずっと話していられるくらい楽しかったのだが、幸せな時間は唐突に終わりを告げた。
「はいはーい、ちょっとごめんね。」
突如病室の扉が開かれ、そこから赤みがかった髪を持つ男が入ってきたのだ。
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えるふぃ(プロフ) - Rumiさん» Rumiさん、ご指摘ありがとうございます！！ 火事に直してきました！気が付かず申し訳無いです…。細かいところまで読んでくださってありがとうございます！ (2020年5月3日 1時) (
レス) id: 2cfa1564f2 (このIDを非表示/違反報告)
Rumi(プロフ) - あの71話の火事が家事になってますが…｡ (2020年5月3日 1時) (レス) id: 29532e4533 (このIDを非表示/違反報告)
ひらり - 30話目のアリス祭のとこのワカメさんのセリフ「ああ忘れる所だった。不人気どころかー...」が蜜柑のセリフになってるぞー。 (2014年4月12日 10時) (レス) id: 057e594f88 (このIDを非表示/違反報告)
あやめ(プロフ) - チェナさん 間違いを教えて下さりありがとうございました｡助かりました｡
一応気付いたところは直しました｡
また 何かあったら言って下さいm(_ _)m (2013年12月25日 22時) (携帯から) (レス) id: 39d6b953a1 (このIDを非表示/違反報告)
あやめ(プロフ) - アルト（οπο）さん» アルト（οπο）さんありがとうございます。
初めて自分の作品にコメントを戴きをその上誉められるなんてとっても嬉しいです♪
これからも書くの頑張ります(≧∇≦) (2013年12月2日 0時) (携帯から) (レス) id: 39d6b953a1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えるふぃ | 作成日時：2013年11月29日 23時
