story55 守る理由 ページ13
陽毬side
ナルの質問を適当にいなしていたが、最後の質問は流せなかった。学園の大人の中で一番僕のことを理解している彼のことだ。最近の僕の異常な行動にはとっくに気付いているのだろう。
「ナルも『そうなんじゃないか』って思ってるんでしょ？ ……僕もそう。その可能性があるから守ってるだけ。」
ナルの質問に質問で返すが、彼は押し黙ったまま。
無言は肯定とみなして勝手に話を進めた。ナルは口を挟むことなく、ただじっと僕の目を見つめてくる。
「約束したんだ、お母さんとあの人に。だからそうじゃないって確信が持てるまでは守るよ。」
いつもおちゃらけてばかりのナルの、心配と不安が入り混じったような表情を見るのは久々だ。３年前まではナルにずっとこんな顔をさせていたというのに。何はともあれ彼には笑っていてほしいし、余計な心労を増やしたくない。
岬先生との会話からするに、彼は今回の脱走騒ぎをなんとか揉み消すつもりでいるらしい。結界に異常反応が出ただけならまだしも、正門前で爆発騒ぎが起きた今ではそれは無理な話。
「でもまぁ、今回のことは僕に任せてよ。」
それでも揉み消そうとするのがナルだ。彼は自分の立場を危険に晒してでも誰かを守ろうとするから、このまま放っておけなかった。
だから僕が一肌脱ごうと思った。だってナルにはいくつも貸しがあるから。
「っ、でもそれじゃあ陽毬ちゃんの負担が大きい！」
「
今回の件を揉み消す。ナルには無理でも僕なら可能だ。なんだかんだであいつは無条件でとは言わないが、僕の頼みは聞いてくれる。
門の外で変な奴に絡まれたから反撃したってことで押し通せば、それ以上は言及してこないだろう。
ナルはいまだに僕がやろうとしていることに不満そうだが、こうなったら僕が絶対に引かないことを知っているから何も言えないでいる。
そんな彼にこれ以上気休めの言葉など無意味だ。だから僕も何も言わずに彼に背を向けて身を寄せる。背中に感じる温もりを心地よく感じて、すぐに眠りについた。
＊
星なしが起き出す前にベッドから出て身支度をし、ナルの家を出た。みんなが起き出す前に部屋に戻らないとペルソナが部屋まで確認しにきてしまう。瞬間移動のアリスですぐ戻れるから楽ではあるが。
家を出る前に見た星なしとナルの幸せそうな寝顔に、少しだけ胸の奥がチクリと痛んだ。
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えるふぃ(プロフ) - Rumiさん» Rumiさん、ご指摘ありがとうございます！！ 火事に直してきました！気が付かず申し訳無いです…。細かいところまで読んでくださってありがとうございます！ (2020年5月3日 1時) (
レス) id: 2cfa1564f2 (このIDを非表示/違反報告)
Rumi(プロフ) - あの71話の火事が家事になってますが…｡ (2020年5月3日 1時) (レス) id: 29532e4533 (このIDを非表示/違反報告)
ひらり - 30話目のアリス祭のとこのワカメさんのセリフ「ああ忘れる所だった。不人気どころかー...」が蜜柑のセリフになってるぞー。 (2014年4月12日 10時) (レス) id: 057e594f88 (このIDを非表示/違反報告)
あやめ(プロフ) - チェナさん 間違いを教えて下さりありがとうございました｡助かりました｡
一応気付いたところは直しました｡
また 何かあったら言って下さいm(_ _)m (2013年12月25日 22時) (携帯から) (レス) id: 39d6b953a1 (このIDを非表示/違反報告)
あやめ(プロフ) - アルト（οπο）さん» アルト（οπο）さんありがとうございます。
初めて自分の作品にコメントを戴きをその上誉められるなんてとっても嬉しいです♪
これからも書くの頑張ります(≧∇≦) (2013年12月2日 0時) (携帯から) (レス) id: 39d6b953a1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えるふぃ | 作成日時：2013年11月29日 23時
