十五雫。 ページ15
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それから、何度かAの母親の家にお邪魔した。
一人で行かせるのはまだ心配だったから、
必ず俺と一緒に。
ヒロさんは色々なことを話して下さった。
基本的に俺がそれに答えて、
時々ゆかりさんが口を挟んで、
Aが静かに聞いている。
Aの表情は明るいとは言い難いものだったけれど、
回を重ねる度どんどんと柔らかいものに
変わっていくのが俺はもちろん、
ヒロさんにも伝わっていたと思う。
...けれど、そんな日々も長くは続かなかった。
ゆかりさんが、倒れたのだ。
「どうしよう。風磨...っ、」
取り乱したAから
仕事中、泣きながら電話がかかってきて。
「落ち着いて、A。
俺もう今日の撮影終わったから、
これからすぐ帰るからね。いい子で待ってて。
それで一緒に病院行こう。」
「うん、わかった...っ、」
電話を切ると、スマホに不在着信の表示。
俺の所にもヒロさんが連絡を下さっていたみたいだ。
Aから聞いたこと、
今から向かう旨をメールで送り、
中島に断って楽屋を飛び出した。
いつかにAが言っていた。
ーーー風磨と出会った頃、
幸せはどうしていつも手から
零れ落ちちゃうんだろうって思ってた。
どうしてこうも上手くいかないんだろう。
俺はただ、Aを守りたいだけなのに。
Aを守って、
ふたりで暮らしていきたいだけなのに。
「くそっ...！」
怒りをハンドルにぶつけたって、
車のスピードが上がるわけもなくて。
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ひなの_FmKn - このお話すごく大好きです...！応援してます！ (2019年3月31日 16時) (
レス) id: c768473685 (このIDを非表示/違反報告)
きなこ - お話読ませてもらいました！とってもいいお話で泣いてしまいました！続きも気になるので更新してほしいです！ (2019年3月24日 14時) (レス) id: e1ff624753 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：YUi
| 作成日時：2019年2月12日 14時
