必ず ページ30
渡瀬said
『え……………』
その呟きと共に、私の手からスマホが転げ落ちた。
浮「ちょ、渡瀬！壊れるぞ。」
そう言って、浮所が私のスマホを拾い上げ、私に手渡してくる。
今日はレッスンで美少年みんなが揃っているんだけど、今は浮所だけしかいない。
けど、今の私には何も聞こえなくて。
浮所の声にも返事をすることができなかった。
そんな私の姿を見て慌てた様子で飛貴が駆け寄ってくる。
浮「Aー？聞こえてる？？おーい！」
『………っ！あ、ごめん！！ありがとう。ちょっとぼーっとしちゃって………。ちょっと体動かしてくるね！』
そう言って、呼び止める飛貴を置いて、私は楽屋を出た。
空き部屋を見つけ、急いで入って部屋の扉を閉める。
部屋の椅子に腰掛けて、大きく深呼吸をして、もう一度スマホの画面を開く。
『夢じゃ、、、ないんだよね？？？』
そこには、【なにわ男子 11.2 CDデビュー決定！！】の文字。
記事には今日行われているなにわ男子のアリーナツアーのMC中にサプライズ発表されたこと、レーベルがJ Stormさんのこと、単独のファンクラブが発足すること、個人のInstagram，YouTubeチャンネルが開設することなどが書かれていた。
私は昨日、LIVEを見学させてもらったばかりだった。
本当にいいLIVEで。
みんながここまで来れたことが嬉しくて、最後の挨拶の部分では号泣してしまったし、アンコールの後も中々その場を離れられなくて、結局最後まで見させてもらった。
みんなには私が行くことは伝えてなかったから、かなり驚かれたけど、みんな喜んでくれてよかったなって思ってて。
デビュー、するんだろうなって心の何処かではずっと思ってた。
でもまさか今日発表されるとは思ってなくて………
驚きと嬉しさで感情がわからなくなってしまった。
けど、気付いたら涙が溢れ出ていた。
『良かった……ね！！……ほんっとに……良かった！！』
頭の中はいろんな感情でごちゃ混ぜだったけど、無意識に出た言葉がこれだったんだから、これが本心だろう。
もちろん悔しい。
凄く凄く悔しい。
けど、やっぱり大切な仲間だから。
私を沢山沢山助けてくれた人達だから。
素直に嬉しい気持ちが大きい。
____
少し時間が経って気持ちが落ち着いてくると、直接会ってお祝いしたい衝動に駆られた。
気付いた時には、私は電話をかけていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 165人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：cocoa | 作成日時：2021年5月9日 13時
