異能力の世界に迷い込んだ無頼派少女

無い ページ35

ASide


敦くん達と別れた後、以前から幾つか確かめたい事があったから此の世界の図書館へ来てみた


勿論此処へ来てやる事といえば…




『…………無い』




やっぱりな…私の予想通りだったみたいだ



そう……私達の本が無い



太宰治

坂口安吾

織田作之助

檀一雄

中原中也

夏目漱石

島崎藤村

芥川龍之介

月宮A





無い


何処の図書館や古本屋をいくら探しても何一つとして出てはこなかった

キャロルやランボー達のような外国の文豪の作品ですらない


代わりにあったのは全く知らない文豪の作品





……成程な




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図書館を出て海が見えるベンチに座る


『……………』


此処は本の世界だからてっきり今までみたいに侵蝕者を倒したら帰れると思っていたけど、侵蝕者の気配が感じられない

いつもなら直ぐに見つかるのに…此の本侵蝕されてないのか？

どうしたら帰れるんだ…

でも今直ぐには探偵社員になったから帰れないだろうし


『…安吾の堕落してない安吾鍋が恋しい…』


堕落してないのは凄く美味しかった



けどな？

堕落してるのはもう…………ぁ…思い出すのは止めよう



『………海、綺麗だなぁ』



何だか、少しだけ寂しくなってきた






すると何処からか帽子が飛んできた

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