White Linaria .【黒】 (ページ44)

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渡辺「あ、やべ…。大学にノート忘れてきた」

カフェを出た瞬間に焦り始めた翔太。

バッグの中を漁りながらノートを探しているみたいだけど、
どうやら大学に置いているようで。

渡辺「取りに戻るわ！2人は先に帰ってて」

それだけを言って大学へと走って行った翔太を
私と美羽ちゃんは眺めた。

『…帰ろうか』

美羽「そうだね」

帰り道が途中まで一緒なんだと分かり、そこまで
歩いて帰る。

『どこか抜けてるんだよ～』

美羽「ね。翔太くんらしい」

ふふっと笑う美羽ちゃん。

横顔しか見えないけど、可愛く笑う彼女が
翔太の隣にいるんだと思うと辛くなってしまう。

そんな彼女が、ゆっくりと口を開いた。

美羽「Aちゃんはさ…」

『うん？』

美羽「翔太くんのこと好き、なの？」

美羽ちゃんから放たれた言葉にドキッとした。

私と翔太は幼馴染。

幼馴染だけど、近くにいる私は彼女にとって
嫌な存在なのかもしれない。

(彼女だもん…気になるよね…)

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『ううん。翔太のことは仲の良い幼馴染って思ってるよ』

だから、嘘をつくんだ。