White Linaria .【黒】 (ページ38)

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渡辺「でも、たくさん種類があって悩むわー」

ハハッと笑う翔太を見て、嬉しい気持ちになる。

渡辺「どのケーキがオススメ？」

翔太がケーキを指さしながら聞いてきた。

『んー…。抹茶と苺が美味しいと思うよ』

食べた中で特に好きなケーキの名前を上げると、
ありがとう！と言ってそのケーキを注文した。

友達と別れて、帰り道が一緒の翔太と帰る。

隣に翔太が並んでいることが、久しぶりすぎて
緊張している自分がいた。

『そのケーキ自分で食べるの？妹たちの分？』

最近は会えていない翔太の妹を思い浮かべて聞いた。

渡辺「いや、美羽と食べようかなーって。
明日家に来る予定だからさ」

それを聞いた瞬間に、心臓を握りしめられたような
苦しい感覚がした。

『そ、…そうなんだね…』

自分で聞いたことを後悔する。

隣で歩いている翔太をチラッと見ると、どこか
嬉しそうな表情をしている。

翔太の頭の中には彼女さんが写っているんだと
思うと、強い悲しみが襲ってくる。