私達とワタシ達 ページ10
〜Aside〜
八雲「並行世界………」
A「ああ。」
八雲「それはいったい………」
A「簡単に言えば、この世界にはかつて【私達ではないワタシ達】がいたと言うことだ。」
うん、ちょっと失敗したかな。
八雲の目が漫画でいう点になっている。
A「言葉が悪かったね。この世界での私達は作家として活躍しており、元の世界では私達は情報屋として生きていた。こちらの世界にいる人間もあちらの世界の過去か未来で生きているということだ。」
八雲「それが本当なら、この世界にも俺たちがいるということですね。」
A「そうだよ。だが、この世界では私達はすでに過去の人のようだ。調べてみたがすでに亡くなっている。」
八雲「そんな………」
A「だが、わかったことはある。私達は本来、ここにいてはならない者達だということだ。」
八雲「………っ！」
A「この世界の私達はすでに亡くなっているということは、ワタシ達は過去の人。過去に亡くなった人物と同姓同名の、しかも戸籍すらないような人物が現れれば、厄介なことになる。」
厄介なことっていうか、絶対にめんどくさいことに巻き込まれる！
これは私の勘が言っているよ、八雲君。
A「今の私達がすべき事は、目立たぬように心掛けることだ。人を助けることは良いが、テレビや動画に写らないよう細心の注意を払いなさい。」
八雲「テレビに動画………ですか？」
A「先程、生中継でヒーローの活動が流れていた。あれに私達が写る可能性もある。ただの傍観者ならばあまり目立たないが、話題の中心に近ければ近いほど厄介なことに巻き込まれやすくなる。興味を持たれれば、私たちの情報を得ようと調べる者も出てくる。」
八雲「あまり目立つようなことはしないように………ということですね。」
A「そういうことだよ。」
それにしても作家だったこの世界の私たち………か。
作家って、どんな生活してたんだろ？
A「ただ、こちらの世界には厄介な裏社会の人間だけではなく、ヒーローと呼ばれる存在もいる。」
八雲「ヒーロー………」
A「彼等は人助けをすることが主らしいが、人助けとは時に相手にとっては良い迷惑である場合もある。」
八雲「良い迷惑………ですか？」
A「ああ、例えば治のような自、殺志願者は？せっかくﾀﾋねそうだった所を邪魔されれば？」
八雲「………あの変態は嫌がりそうですね。」
A「私の前だから良いが、他者の前ではその言い方は止めなさい。」
八雲「………はい」
A「なんだい今の間は？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 85人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：小説ワンコ | 作成日時：2019年6月16日 22時
