Daily Motion 3【男性声優】

ワールドオブユサ ページ9

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取り敢えず頭痛薬を頂き飲むことにしたが、穴澤、あんまり頭痛薬飲んだことないんだよね…。学生の頃はとにかく寝て治していた田舎もんですからねー




遊)｢文字見るのキツイでしょ?｣



遊佐さんが隣に座って私の頭をゆっくり撫でてくれる。因みに今は福山さんと杉山さん達はおらず、私と遊佐さんだけ。



『いえ、…大丈夫です。ありがとうございます』



事実、熱があるわけではないし、ちょっと我慢していれば大丈夫だとは思うが、かなり酷くなってきた。ガンガンとくる痛みに目が文字を追いかけているのに全く内容が頭に入ってこない。

一通り内容は把握しているとはいえ、いつも行っていることをしない日というのはどうも調子が出ない。



遊)｢…A、｣


少し通常より低い遊佐さんの声に反応し顔をあげると、遊佐さんに台本を取り上げられてしまった



遊)｢僕らアヤカシ組は出番まだなんだから、ちょっと寝ておきなさい｣


『で、でも…』


遊)｢疲れが溜まったんだよ。年上の言うこと聞きなさい｣


『そんな…』



そうは言われたものの、遊佐さんという大先輩、それにスタッフさんや他の声優さん達が働いているなか寝ていられない…


『もう、だいぶいいんで…』



｢台本、返してください｣と遊佐さんに手を伸ばすと、遊佐さんが呆れた様にため息をついて




遊)｢ほんと強情なヤツだな…｣



と、私の後頭部に手を回し、そのまま自身の方に引き寄せる。



『ふぶ!?』


そして私は、女性声優らしからぬ声を上げ、遊佐さんに正面から抱き締められる形に




遊)｢ほーら。こうしたら寝顔も見えないし、暖かいし、僕は離さないからお前は動けない。つまり寝るしかないって訳だ｣


『え、え、』


遊)｢あんま動くなよ…くすぐったい｣


『す、すみませ…』




て、ていうかいいのか!?いいのかこの状況!?誰かに見られたら恥ずかしくない!?いや見られなくても恥ずかしいんだけどさっ!!



遊)｢誰も見てないから、…今だけ、ゆっくり休んじゃいな｣



遊佐さんのいつもより少し低い落ち着いた声が、頭痛で侵されている脳内に気持ちよく響いて。遊佐さんの服越しに伝わる暖かさとか、優しく髪を撫でてくれる手とか、全てが気持ちよくて




『………zzz』



いつしか私は眠りに落ちていた




遊)｢やっと寝たか…この意地っ張りめ(笑)｣

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