Daily Motion 3【男性声優】

おろおろないない ページ15

.




遊)｢A、僕が前にお前に言ったこと、覚えてるよね?｣



遊佐さんの問いに、私はただ頷くことしか出来なかった。口を開けば情けない嗚咽を漏らしてしまいそうで


遊)｢僕達は協力しなきゃいいものは作れないだろ。Aはそれをしようとしてない｣


『はい…』


遊)｢…分かったなら、Aが今なにしなきゃならないのか僕が言わなくても分かるよね｣



遊佐さんはそう言って黙った。私は立ち上がり、ぐるりと私を囲むようにするキャストの皆さんに頭を下げる



『具合が悪いこと、黙っていてすみませんでした。助けて頂いてありがとうございます』






福)｢助けるなんてあったりまえだろー｣


シンとした空気の中、最初に口を開いたのは福山さんだった。｢水臭いぜコノヤロー｣と私を肘で小突く福山さん。それに続き、杉山さんが｢無理しないで下さいね、｣と相変わらず優しい笑みを向けてくれた。



中)｢…遊佐さんめちゃいい事言ってますけど、一番あの状況を楽しんでAに手を出そ…ﾑｺﾞｯ｣

遊)｢あっはっはっー!なーんて君は悪いお口を持ってるのかな?塞いじゃうぞーっ☆｣


中)｢ﾑｶﾞｯ…ﾑｺﾞﾑｺﾞ…ﾝｸﾞｯ｣


慌てて遊佐さんが中村さんの口を塞ぐも大体のことは察しがつく。それは福山さん杉山さんも同じで



福)｢遊佐さぁん!?どういうことですか?｣

遊)｢えっ!?知らない知らない｣

中)｢遊佐さんがAに…ﾑｺﾞｯ｣


杉山)｢穴澤さん、何かされました?｣

『いや、私寝てたので…』

杉山)｢成る程、寝込みを襲ったのかな｣

遊)｢す、杉山くん!?｣

中)｢杉山さん、正解…ｸﾞﾌｩｯ｣

遊)｢君は煩い!｣



先程までの空気は一変し。
最早遊佐さんに半殺しにされている中村さん。そんな遊佐さんに詰め寄る福山さんに、そんな喧騒の中、そっとポケットティッシュを私に渡してくれる杉山さん。


そんな光景を見ていたら自然と頬が緩んでしまったけれど、だけど…



『(遊佐さん、ごめんなさい)』



私はまだ、本心からは誰かを頼ることが怖いから。もう少しだけ、迷走させて下さい。



今はまだ＿＿

ルネッサーンス→←ファイト一発

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す