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貴方に溺れて15(太宰) ページ24

「太宰さん・・・」
その言葉にハッとしたが、私は直ぐに我に返り、太宰さんの手を取った。
「・・・ほら、皆が待ってますよ。行きましょう、治________」
薄暗い路地裏に、夕陽が射した。
それは、とても輝いていて、眩しくて、心までも温まる様な優しい光だった。
「Aちゃん・・・」
太宰さんはクスリと小さく笑うと、私の手を力強く握り、ニコリと微笑んだ。
「うん、戻ろう。私達の探偵社に」
建物の隙間から射す夕陽を受けて、薄暗い路地裏を抜け出し、私達は歩き出す。
________太宰さん。貴方は、何時も怠けてばかりで、死ぬ事ばかり考えている。
でも、私は知っているんです。貴方が、本当は他人に優しい事を。
何かを失う怖さを、悲しみを、誰よりも知っている事も。
そんな優しい貴方に、私は・・・貴方に溺れてしまったんです。
「・・・もう、心中なんてしちゃ駄目ですよ?」
愛しい太宰さんの腕を、ギュッと抱き締める。
「如何したんだいAちゃん。今日は、随分と甘えん坊だねェ」
可笑しそうに太宰さんが、笑う。
「安心し給えよ。君を置いて逝かない。それだけは、何があっても守るよ」
そう言った太宰さんの背後に、一瞬人影が見えた気がして、私は立ち止まった。
「如何したんだい?」
「・・・否、何でもないです」
「変なAちゃん」
「太宰さん程じゃないですよ」
「えっ非道い!」
他愛も無い会話で笑い、楽しそうに笑みを浮かべる。
________嗚呼、神様。如何か、こんな幸せが続きますように________
END

クイズは好きかい?1(ゴーゴリ)→←貴方に溺れて14(太宰)



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(プロフ) - テツさん» うわぁぁぁぁ最高........!ありがとうございます! (2018年3月10日 23時) (レス) id: 2084af5cf6 (このIDを非表示/違反報告)
テツ(プロフ) - 聴さん» ゴーゴリと夢主のお話ですね・・・!了解です! (2018年2月8日 19時) (レス) id: d776172fc0 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ゴーゴリと猫系夢主のお話みたいです....!いつも口面つけてるっていう設定があると尚(ごめんなさい完全にうちの夢主でした黙ります) (2018年2月7日 12時) (レス) id: 2084af5cf6 (このIDを非表示/違反報告)
Sea - ア゛ア゛ア゛ゴーゴリさんしんどい (2018年1月27日 9時) (レス) id: c676ee4e9b (このIDを非表示/違反報告)
テツ(プロフ) - 奈槻さん» 有難うございます!!楽しみに待っていてください! (2018年1月23日 9時) (レス) id: d776172fc0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:テツ | 作成日時:2018年1月14日 19時

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